◎カナリア諸島を目指すルートは陸路に比べるとはるかに危険とされ、国連によると、この数年で数千人が死亡または行方不明になったという。
アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島に移民船5隻(すべて木造)が到着し、650人以上が移民管理センターに収容された。地元当局が4日、明らかにした。
それによると、3日に到着した4隻のボートのうち1隻にはアフリカの移民280人が乗っていたという。
スペイン国営テレビは当局者の話しとして、「人身売買組織による移民の輸送が始まった1994年以来、1隻のボートに300人近くの移民が押し込まれたのは初めて」と伝えている。
他の3隻には200人以上が乗船。もう1隻は4日に到着した。
報道によると、島内の医療機関で手当てを受けた移民は5人。その他の体調は概ね良好だという。
スペインへの亡命を希望するアフリカ人の多くがアフリカ北部に位置するスペインの飛び地セウタとメリリャに陸路で亡命を試みている。
カナリア諸島を目指すルートは陸路に比べるとはるかに危険とされ、国連によると、この数年で数千人が死亡または行方不明になったという。
スペインの沿岸警備隊はこの数週間、カナリア諸島を目指す移民船数隻を領海内で拿捕し、数百人を島内の移民管理センターに収容していた。
カナリア諸島に到着した移民は身分証明のために最長72時間、警察の保護下で過ごし、その後、施設に移される。
強制送還される者(主に犯罪者)もいるが、大半は希望通り、スペイン本土に移送され、亡命にむけた手続きを受けることになる。
亡命申請ではじかれた移民は出国を命じられる。
スペイン内務省によると、2023年1月1日~9月30日までにカナリア諸島にボートで到達した移民は1万5000人近くにのぼるという。昨年同時期に比べると20%近く増加し、そのほとんどがセネガルから出港していた。