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スペインで豚熱拡大、輸出の3分の1が差し止めに

スペインで豚熱が報告されたのは1994年以来である。
スペインの養豚場(ロイター通信)

スペインでアフリカ豚熱(ASF)の感染拡大が続き、豚肉輸出の約3分の1が差し止められている。現地メディアが29日に報じた。

この事態はバルセロナ近郊で野生イノシシ6頭の死骸からASFが検出されたことをきっかけとしている。スペインで豚熱が報告されたのは1994年以来であった。

プラナス(Luis Planas)農相は29日の記者会見で、「104カ国向けに発行された輸出認証証明書400件のうち、約3分の1が差し止められている」と説明。「できるだけ早く再開するよう努力している」と語った。

スペインはEU内で最大級の豚肉輸出国であり、輸出総額は88億ユーロにのぼる。そのうち約58%はEU加盟国向けである。

プラナス氏は「発生地から半径20キロ圏外の地域からのものは影響を受けていない」と説明している。

しかし、輸出停止はEU外を中心とした複数の国や地域に既に影響を及ぼしており、スペイン産豚肉の取り扱いの見直しが進んでいる。EU外の市場やスペイン国内の農畜産業には大きな打撃となる可能性がある。

一方、ASFは人には感染せず健康被害は報告されていないものの、豚や野生イノシシに対して感染力が非常に強く、畜産業と流通に深刻なリスクをもたらす。今回のような発生と輸出規制は、過去に他国でも養豚業界に大きな混乱をもたらしたことで知られている。

スペイン政府と関係当局は感染拡大の防止と畜産・輸出業界の損失最小化を両立させるため、原因の追及と衛生管理の強化、そして可能な限りの証明書再発行に向けた交渉を進めている。プラナス氏は「国際市場を守ることが我々の責任だ」と繰り返した。

今回の豚熱発生と輸出停止は、スペインのみならず欧州と世界の畜産および食肉流通市場に波紋を広げる可能性がある。流通関係者や輸入国はスペインの動向を注視しており、豚肉価格や供給の混乱につながる懸念も高まっている。

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