◎手頃な価格の住宅の不足はスペインを含む西側諸国の共通の課題である。特にバルセロナのような人気観光地の住宅不足と家賃の値上がりは深刻だ。
スペイン北東部カタルーニャ自治州バルセロナで23日、家賃の高騰と住宅不足に抗議する集会が行われ、数万人が自治政府と中央政府に対応を求めた。
デモ隊は市中心部の大通りを封鎖し、スペイン語で「投資家のためのマンションを減らし、住むための家を増やせ」「家のない人々の権利を守れ」などと書かれた横断幕を掲げた。
手頃な価格の住宅の不足はスペインを含む西側諸国の共通の課題である。特にバルセロナのような人気観光地の住宅不足と家賃の値上がりは深刻だ。
デモの主催者は17万人以上が集まったと発表。バルセロナ警察は約2万2000人が市内を行進したと報告している。
通りに集まった人々は自治政府と中央政府に対し、手ごろな価格の住宅を増やし、裕福な投資家による住宅への投資を規制するよう求めた。
地元メディアによると、スペインの平均家賃はこの10年で約2倍になったという。1平方メートルあたりの価格は2014年の7.2ユーロから今年は13ユーロに上昇している。
バルセロナや首都マドリードのような都市の伸びはさらに著しい。
これに賃金の上昇が追い付かず、人口の大多数を占める低中所得者層の多くが家賃の支払いに苦労したり、家を持てずにいる。地元メディアによると、その傾向は若年層になるほど強く、バルセロナでワンルームを借りる若者の大半が収入の7~8割を家賃に取られているという。