▽サンチェス氏の訪中はこの2年間で3回目。トランプ米政権による関税政策で不確実性が高まる中、中国からの投資を呼び込む狙いがある。
とスペインのサンチェス首相(AP通信).jpg)
スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相が11日に訪中し、習近平(Xi Jinping)国家主席と会談する。
サンチェス氏は電気自動車(EV)のバッテリーや再生可能エネルギー関連の中国企業数社のリーダーとも面会する予定だ。
サンチェス氏の訪中はこの2年間で3回目。トランプ米政権による関税政策で不確実性が高まる中、中国からの投資を呼び込む狙いがある。
トランプ(Donald Trump)大統領は9日、物議を醸している相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表。一律10%の基本関税は維持するとした。対抗措置を取った中国に対する関税は145%に達した。
中国はこれを受け、米産輸入品の税率を84%に引き上げた。さらなる対抗措置が予想される。
米中の対立はEUが中国との貿易を拡大することを意味する。またEU内ではトランプ関税の結果、中国が割安な商品でEUに進出し、国内生産者が打撃を受けることへの懸念が高まっている。
サンチェス政権は中国との経済関係の拡大を望んでいると繰り返し述べてきた。
サンチェス氏は10日、訪問先のベトナム・ハノイで記者団に対し、「貿易戦争は誰も得をしない。我々は皆、失うことになる」と語った。
スペイン首相府の報道官は今週初め、サンチェス氏の訪中について、「極めて重要であり、市場を多様化する絶好の機会と考えている」と述べていた。
一方、米国のベッセント(Scott Bessent)財務長官は8日、サンチェス氏の訪中計画を非難し、「米国の製品を他国経由で中国に横流しする悪徳業者は自らの喉をかき切ることになる」と警告した。