◎スペインの医療制度はイギリスや日本とよく似ており、公共部門の規模は民間より大きく、社会保障の柱のひとつとみなされている。
スペインの首都マドリードで12日、地方政府の公的医療制度の管理に抗議するデモが行われた。
内務省によると、25万人以上が市中心部に集まったという。主催者は参加者を100万人と見積もっている。
参加者たちは「公的医療制度は人権」「医療サービスを守れ」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて行進した。
地元メディアによると、デモを主催したのは医療従事者の組合。左派政党、労組、人権団体、その他多くの活動家や一般市民が参加した。
これらのグループはこの数カ月、定期的にデモを行い、その勢いと規模は増しているように見える。
デモの主催者はSNSに声明を投稿。「マドリード知事を含む全国の保守派が医療制度を脅かしている」と批判した。
デモ隊によると、マドリードは1人当たりの収入が全国で最も多いにもかかわらず、一時医療への予算配分は全国の自治体の中で最も少ないという。
また、マドリードの医療予算の3分の1が民間部門に流れているとのこと。
その結果、公共医療機関の医師・看護師の給与は低迷し、人員不足が常態化。多くの職員が過労に陥り、待ち時間も増加した。
スペインの医療制度はイギリスや日本とよく似ており、公共部門の規模は民間より大きく、社会保障の柱のひとつとみなされている。
地方の公的医療は各地方政府が管理・運営している。