◎事件は25日の夕方、アンダルシア自治州アルヘシラスで発生した。
スペインの高等裁判所は30日、南部アンダルシア自治州で先週発生したテロ事件の容疑者を公判まで収監するよう命じた。
容疑者は25歳のモロッコ人。事件は25日の夕方、アンダルシア自治州アルヘシラスで発生した。
容疑者は教会内でミサの準備をしていた関係者を襲い、町の広場まで追いかけ1人を殺害。さらに別の教会を襲撃し、神父を攻撃した。
マドリード高裁は検察の要求を認め、容疑者をテロと過失致死傷で起訴すべきと裁定した。地元メディアによると、公判日は未定。
検察は容疑者について、「特定のテロ組織とのつながりは確認できないものの、イスラム過激派の思想に基づき、凶行に及んだ」と指摘している。
高裁は報道機関向けの声明で、「判事は検察が提示した証拠が、容疑者が支持していた過激派の指示によるジハード攻撃であることを認めている」と述べている。
地元メディアによると、容疑者の同居人は「容疑者は1カ月ほど前に急変し、携帯電話で録音したコーランを頻繁に聞き、ハシシ(大麻製品)を吸っていた」と警察に証言したという。
警察は27日に容疑者の自宅を家宅捜索し、電子機器、書類、襲撃に使用したナタの鞘などを押収した。
高裁は容疑者を保釈すれば逃亡するだけでなく、さらなる犯罪を犯す危険性があるとしている。
国営テレビは警察関係者の話を引用し、「容疑者は心理的に不安定で、犯罪歴はない」と報じた。
容疑者の攻撃を受け負傷した神父は27日に退院した。
スペイン内務省によると、容疑者は同国に不正入国したとして昨年6月に退去命令を受けていたという。