◎欧州警察機関(ユーロポール)によると、家宅捜索は9月27日に行われ、32人が逮捕された。
欧州警察機関(ユーロポール)は14日、スペイン警察が国際的な麻薬組織が運営していたとみられる欧州最大の「資金洗浄(マネーロンダリング)グループ」を一網打尽にしたと発表した。
ユーロポールによると、このグループは主にシリア人で構成され、スペイン中部の町フエンラブラダにある工業団地のレストランを拠点にしていたという。
顧客はそこに現金を預け、足がつかないよう洗浄を依頼していた。
ユーロポールによると、このグループは世界20カ国以上の麻薬密売に関連する犯罪組織にサービスを提供していたという。
スペイン警察は声明で、「このグループは2020年以降、毎年3億ユーロ以上の現金を洗浄していたとみられる」と報告した。
このグループは犯罪組織などに人気のあるいわゆる「ハワラ」を利用し、電信などの記録なしに大金を動かしていた。
ハワラはイスラム世界で古くから使われている送金システムである。顧客はエージェント(洗浄屋)に現金を預け、この時エージェントは暗証番号を顧客に交付する。
顧客は別のエージェントにその暗証番号を伝えることで「預けた現金とは異なる現金」を受け取ることができる。
ユーロポールによると、家宅捜索は9月27日に行われ、32人が逮捕された。
スペイン警察はこの家宅捜索で現金約300万ユーロ、高級車11台、大量のハシシ、大麻を押収。150万ユーロが預けられている19の口座を凍結した。