◎2390人のうち約1800人は船でカナリア諸島を目指し死亡または行方不明になった。
スペイン、カナリア諸島のビーチ、亡命希望者と警察官(Getty Images)

スペインのNPOカミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)は18日、昨年スペインを目指して死亡または行方不明になった亡命希望者は確認できているだけで2390人に達したと発表した。

CFによると、2390人のうち288人が女性、101人が子供。死者数は過去5年とほぼ同じだが、スペインに到達した移民の数は減少傾向にあるようだ。

2390人のうち約1800人は船でカナリア諸島を目指し死亡または行方不明になった。カナリア諸島はアフリカ大陸の西に位置する群島で、一番近いモロッコからも直線距離で100km以上離れている。

CFは報告書の中で、「アフリカ北部アルジェリアからスペインを目指す地中海ルートに多くの移民が集まっている」と警告した。このルートの死者数は464人と報告されているが、実際の数はもっと多いと考えられている。

CFは各国政府の救助活動、移民の家族からの聞き取り、NGOの活動履歴などから独自に数字を集計している。

国際移住機関(IOM)は昨年欧州を目指す途中で死亡した移民を2556人と報告している。そのうち1126人が西アフリカの大西洋ルートで、250人がアルジェリアの地中海ルートで死亡したと推計している。

スペイン内務省によると、昨年同国に不法入国した移民は3万1219人で、2021年の4万1945人から1万人以上減少したという。しかし、アフリカ北部にあるスペインの飛び地セウタとメリリャに陸路で亡命を試みた移民は24%増加した。

CFは昨年6月に発生したメリリャの移民大量死について、40人が死亡したと報告している。モロッコとスペイン当局は23人が死亡したと説明している。

昨年6月、移民数百人がモロッコ領内からメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突。この乱闘で少なくとも23人が死亡、数百人が負傷した。

2022年6月24日/スペイン領メリリャ、入国に成功した亡命希望者(Javier Bernardo/AP通信)
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