スペイン政府、50万人の不法移民に合法的な地位付与へ
この措置は王令によって実施され、不法移民が法的地位を得るための特別な正規化プロセスとして、4月から申請手続きが開始される見込みである。
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スペイン政府は27日、国内に不法滞在している移民約50万人に対し、合法的な滞在資格を付与する計画を承認したと発表した。この措置は王令によって実施され、不法移民が法的地位を得るための特別な正規化プロセスとして、4月から申請手続きが開始される見込みである。正規化の対象者は2025年12月31日までにスペインに滞在し、少なくとも5か月以上の継続居住を証明でき、犯罪歴がない者とされる。正規化は本人だけでなく、すでにスペインに居住するその子どもにも適用される見通しだ。
サンチェス(Pedro Sánchez)首相の報道官は記者会見で、この計画について「人権に基づく移民モデルを強化し、統合や共存、経済成長および社会的結束と両立するものだ」と述べ、法的地位の付与により移民が合法的に就労し社会に参加できるようになると強調した。これまでスペインでは多数の不法移民が非正規労働市場で働いてきたが、この措置により彼らはどの職種でも働く権利を持つようになる。
正規化申請の受付は4月から6月末までの期間に行われる予定で、申請が受理されれば申請者は即時に一時的な居住許可と就労許可を得られる可能性がある。また、申請中は不法就労や退去強制手続きが一時停止され、移民の権利保護につながる措置も盛り込まれている。
この計画は議会承認を必要とせず、政府が王令で実施する形を取るため、与党・社会労働党(PSOE)中心の連立政権が議会で多数を欠く中でも迅速に進められることになった。政府はこの正規化政策は、スペインが直面する労働力不足や人口高齢化への対応にも資すると説明している。
一方で、保守系野党や極右政党からは批判の声が上がっている。野党・国民党(PP)のフェイホー(Alberto Núñez Feijóo)党首は計画を「不法入国を助長し公的サービスを圧迫するもの」と非難し、移民政策を見直すべきだと主張している。また、極右政党ボックス(VOX)は移民受け入れ政策の強化がスペイン社会の安全保障や文化に悪影響を及ぼすとの立場を示した。
スペインは過去にも複数回にわたり不法滞在者の正規化措置を実施しており、今回の計画はその延長線上にあるとされる。支持者らは正規化により移民が社会保障制度や税制に正式に参加できるようになり、労働市場や公共サービス、経済全体にプラスの影響を与えるとの見方を示している。また、多くの市民団体や人権団体もこの動きを歓迎し、移民の権利向上と社会統合の促進につながると評価している。
政府は今回の措置を通じて、スペイン国内の移民問題を管理しつつ、欧州全体で高まる反移民の動きに対抗し、より包括的な社会を構築する狙いがあるとしている。
