スペイン政府、Airbnbに116億円の罰金、短期賃貸物件を適切な許可なく掲載
これはスペイン国内での消費者保護権限を用いた措置の一環であり、同国が観光用賃貸市場の規制強化を進める中での大規模な制裁となる。
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スペイン政府は15日、短期観光用賃貸物件を適切な許可なく掲載していたとして、米民泊仲介大手エアビーアンドビー(Airbnb)に6400万ユーロ(約116億円)の罰金を科したと発表した。
これはスペイン国内での消費者保護権限を用いた措置の一環であり、同国が観光用賃貸市場の規制強化を進める中での大規模な制裁となる。
当局によると、多数の物件リストが現行法で求められる観光用ライセンス番号を欠いていたか、誤った情報が記載されていたという。これらの無許可物件の掲載は法律に反する広告行為と見なされ、結果として罰金が科された。
サンチェス政権はAirbnbが許可のない賃貸住宅をプラットフォーム上で提供し続けたことで住宅市場に悪影響を及ぼしたと指摘している。特に大都市や観光地では短期賃貸物件が増加することで長期居住者向けの住宅供給が圧迫され、家賃や住宅価格の高騰を招いているとの批判が強まっていた。政府はこうした背景から、違法な賃貸広告の排除を政策の重要課題と位置づけてきた。
今回の罰金は今年5月に政府がAirbnbに対し約6万5000件の違法物件リストの削除を命じた措置の延長線上にある。同命令では、許可番号のない物件や所有者情報が明確でないリストが対象とされ、Airbnb側は当初これに対して対応を進めていたが、一部が依然として掲載されたままだったとしている。
政府は観光客向けの短期賃貸物件の増加が住宅市場に与える影響を懸念しており、特にバルセロナや首都マドリードといった人気都市では、地元住民の住居確保が困難になっているとの声が強い。バルセロナでは2028年までにすべての短期賃貸住宅のライセンスを撤回する計画が進行中であり、こうした地方自治体レベルでの規制強化と並行して中央政府も対応を進めている。
Airbnbはこの罰金措置に対して法的手段で異議を申し立てる意向を示している。同社は声明で、利用者とホストに対して新たな全国登録システムを導入し、既に7万件以上のリストに正規の登録番号を表示させるなど当局と協力していると述べた。だが政府側は、Airbnbが利用者とホスト双方の責任を十分に管理すべきだとの立場を崩していない。
スペインでは他のオンライン宿泊サービスや旅行サイトも同様の規制対象となっており、前年度にはBooking.comが公正取引委員会から4億1300万ユーロ超の制裁を受けている。こうした動きはオーバーツーリズムや住宅不足問題への対応として評価される一方、観光産業への影響と住民生活のバランスをどう取るかが今後の大きな課題となる。
