◎アフリカ、中東、アジアの一部の移民はクロアチアからスロベニアを経由して西欧を目指す。
2022年7月15日/スロベニアとクロアチアの国境付近、かみそりワイヤーを撤去するスロベニア兵(Darko Bandic/AP通信)

スロベニア軍は15日、クロアチア国境に設置されたかみそりワイヤーの撤去を開始した。これは2015年のシリア難民危機後に設置されたものである。

兵士たちは国境沿いの茂みや緑地帯に置かれたワイヤーを切断、回収した。

政府によると、ワイヤーはクロアチアとの国境約200kmに設置されており、完全撤去には5カ月ほどかかるという。

4月の議会選で勝利した「自由運動」のゴロブ(Robert Golob)首相は「社会的平等」「グリーンエネルギー」「経済改革」を推進すると国民に約束し、一部の活動家から非人道的と批判されたワイヤーの撤去を決めた。

国境警備当局は別の方法で国境を監視するとしている。

撤去作業を視察した内相は記者団に対し、「亡命希望者がいなくなったわけではないが、人々に大怪我を負わせるこのワイヤーは明らかにやりすぎだった」と語った。「多くの難民や亡命希望者がこのワイヤーにひっかかり死亡したことを忘れないでください...」

国境警備隊の報道官は声明で、「クロアチア国境の警備は増員や国際協力の強化など、別の戦術で維持・管理することになる」と述べている。

アフリカ、中東、アジアの一部の移民はクロアチアからスロベニアを経由して西欧を目指す。

「バルカンルート」と呼ばれるこのルートを通る移民は海や川の横断、人身売買組織の虐待、厳しい寒さや暑さに直面しながら、数ヶ月から1年以上にわたる厳しい旅に挑戦する。

ゴロブ政権のフェンス撤去は移民の入国に断固反対する極右政党の批判にさらされている。

EUによると、2022年上半期の移民渡航数は前年から増加したという。極右はワイヤー撤去を時期尚早と非難している。

地元メディアによると、軍が撤去するワイヤーは51km。残り143kmは業者に委託する予定だという。

2021年11月17日/ベラルーシとポーランドの国境、ポーランドへの入国を求めている亡命希望者たち(Maxim Guchek/BelTA/AP通信)
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