スロバキアで「ビロード革命」記念デモ、数千人が参加
地元メディアによると、数十の都市で集会やデモ行進が行われたという。
.jpg)
スロバキアの首都プラチスラバで17日、旧チェコスロバキアの共産政権を崩壊させた「ビロード革命」の発端となった1989年11月17日の学生の抗議行進を記念する集会が開かれ、数千人が参加した。
地元メディアによると、数十の都市で集会やデモ行進が行われたという。
プラチスラバのデモ隊は小雨が降る中、フィツォ(Robert Fico)首相に辞任を要求した。
与党・スメルは23年9月の議会選(一院制、定数150)で第一党に躍進し、フィツォ氏を党首とする連立政権が発足した。
フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を取っている。
またフィツォ氏は緊縮財政措置の一環として、ビロード革命を記念する祝日を廃止した。
ビロード革命は1989年に旧チェコスロバキアで起きた非暴力的な民主化革命である。
東欧革命の流れの中で発生し、市民や学生の大規模なデモが共産党政権の崩壊を促した。
11月17日の学生デモ弾圧を契機に国民の抗議が急速に拡大し、劇作家らが率いる市民フォーラムが政治改革を主導した。
政府側は武力行使を避け、短期間で交渉が進んでいったため「ビロード(ベルベット)のように滑らかで血が流れない革命」と呼ばれる。
12月には共産党が権力を放棄した。この革命はチェコスロバキアの民主化を実現しただけでなく、旧東欧諸国の体制転換の象徴として評価されている。
