◎フィツォ新首相はEUの対ロ制裁に反対し、ロシアによるウクライナ併合に反対も賛成もせず、ウクライナのNATO加盟を是が非でも阻止したいと考えている。
フィツォ(Robert Fico)新首相らは首都ブラチスラバの大統領府で宣誓し、「主権在民」の外交政策を追求すると誓った。
フィツォ氏の左派政党スメルは先月末の議会選で第1党に躍進。ロシアの侵略と戦うウクライナへの軍事支援を打ち切ると公約に掲げ、親ロシア派の支持を得た。
スメルと連立を組むのは左派政党フラスと超民族主義・親ロシア政党スロバキア国民党(SNS)。
チャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は新内閣に対し、「あなた方は権力を引き継ぐだけでなく、我が国と全国民に対する責任も負うことになる」と強調した。
フィツォ氏はEUの対ロ制裁に反対し、ロシアによるウクライナ併合に反対も賛成もせず、ウクライナのNATO加盟を是が非でも阻止したいと考えている。
またフィツォ氏は米国が影響力を行使してロシアとウクライナに「妥協的な」和平協定を結ばせるべきだと提案している。
前政権が反汚職を掲げて2020年に発足して以来、スメルと関係のある数十人の政府高官、警察官、裁判官、検察官、実業家が汚職やその他の罪で起訴され、有罪判決を受けてきた。
フィツォ氏も昨年、犯罪集団の創設と権力の乱用で刑事責任を問われた。
チャプトバ氏はフィツォ氏に「西側の傀儡」「米国の奴隷」などと呼ばれたとして、名誉棄損でフィツォ氏を訴えている。
フィツォ氏はメディアに対する暴言でも有名にあり、最近では反移民キャンペーンを推進していた。