◎左派政党スメル率いる連立政権は先週発足した。
スロバキア新政権は30日、反移民政策の一環として、ハンガリー国境に陸軍と警察の部隊を大規模展開すると発表した。
フィツォ(Robert Fico)首相は記者会見で「不法移民を抑制しなければ、テロ組織とつながりのある人々が入国する恐れがある」と述べたが、国境警備強化の詳細については明らかにしなかった。
またフィツォ氏は「部隊の展開は速やかに始まり、私も国境の警備状況を視察したいと考えている」と述べた。
左派政党スメル率いる連立政権は先週発足した。
フィツォ氏は政策の詳細を発表していないが、「不法移民には厳しく対応する」と公約に掲げている。
内務省の報道官は声明で、「10月7日に始まったイスラエル・ハマス紛争により、この地域に多くの移民が押し寄せてくる可能性がある」と説明した。
また報道官は「ハンガリー政府と連携して国境全体を管理できる体制を構築したい」と述べた。
前政権は今月、オーストリア、チェコ共和国、ポーランドといった近隣諸国が移民抑制のためにスロバキア国境での取締りを再開した後、ハンガリー国境での抜き打ち検査を再開した。
この5カ国はビザなしで往来できるシェンゲン圏に属している。
中東・アジアの移民の一部はこれらの国々を通過して西欧(主に英独仏)に向かう。
スロバキア内務省によると、同国で今年1~10月の間に拘束された移民は約4万人。前年比で約11倍に増加している。