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スイスバス火災、乗客の男性が自らに火をつけたか、6人死亡


事件は10日の午後6時半ごろに発生。首都ベルンの西方約20キロに位置するケルツェルス中心部の道路を走行していたポストバスで全焼し、6人が死亡、少なくとも3人が病院に搬送された。
2026年3月10日/スイス、ケルツェルス、全焼したバス(ロイター通信)

スイス西部フリブール州ケルツェルスでポストバスが全焼した事件について、当局は11日、乗客の男性が自らに火をつけたことが火災の原因となった可能性が高いとみて捜査を進めていると明らかにした。

事件は10日の午後6時半ごろに発生。首都ベルンの西方約20キロに位置するケルツェルス中心部の道路を走行していたポストバスで全焼し、6人が死亡、少なくとも3人が病院に搬送された。全焼したのは国営企業スイスポストの関連会社が運行するポストバスで、炎は短時間で全体に広がったとされる。目撃者が消防と警察に通報し、消防車が現場に急行、1時間ほどで鎮火した。

当局によると、死亡した6人の年齢は17歳から65歳、国籍と身元は公表されていない。少なくとも3人が病院に搬送されるなど複数の負傷者が確認され、一部は重傷とみられる。被害者の身元確認には時間がかかる可能性があり、DNA鑑定などを含む捜査が進められている。

フリブール州検察によると、火災は乗客のスイス人男性(60代)が可燃性の液体を自らにかけ、火をつけたことが発端となった可能性があるという。この男性は家族から捜索願が出されていた人物とみられ、精神的に不安定な状態だった可能性が指摘されている。当局は男性自身も死亡者の中に含まれている可能性が高いとしている。

検察は今回の事件について、「テロの可能性を示す証拠はない」とする一方、動機の解明を含め、殺人や放火、公共の安全を危険にさらした疑いで刑事捜査を開始した。警察は車内カメラ映像の解析や乗客への聞き取りを進め、当時の状況を詳しく調べている。

現場に居合わせた目撃者は突然バスから煙と炎が上がり、乗客が慌てて外へ逃げ出す様子を見たと証言している。中には体に火がついたまま外へ飛び出してくる人もいたとみられ、近くにいた人々が消火を試みるなど、現場は一時騒然となった。

事件を受け、パルムラン(Guy Parmelin)大統領は声明を発表し、犠牲者と遺族に哀悼の意を示すとともに、救助活動に当たった消防や医療関係者に謝意を表した。運行会社も遺族や負傷者への支援を行うとともに、当局の捜査に全面的に協力する姿勢を示している。

スイスでは1月にもアルプスのリゾート地クランモンタナでバー火災が発生し、41人が死亡したばかりで、今回のバス火災は国内に再び大きな衝撃を与えている。警察は今後、火災の詳細な原因や男性の行動の経緯について捜査を続ける方針である。

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