▽セルビアでは昨年11月から政府与党と駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/2025年2月9日/セルビア、首都ベオグラードの高速道路、政府与党に抗議するデモ隊(AP通信).jpg)
セルビアの首都ベオグラードで9日、北部ノビサドの駅天井崩落事故の発生から100日を記念して、政府与党に抗議するデモ行進と集会が行われた。
ベオグラード中心部の高速道路には多くの学生が集まり、約7時間にわたって道路と近くの橋を封鎖。ノビサド中心部でも主要幹線道路が占領され、大渋滞が発生した。
学生たちはベオグラードと近郊の都市を結ぶ他の高速道路や幹線道路でも同様のデモを行い、料金所や高速入り口を封鎖した。
セルビアでは昨年11月から政府与党と駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。
ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
ブチェビッチ(Milos Vucevic)首相は先月末、対話に応じるようデモ隊に求め、辞任。ノビサドの市長も同日辞任した。
野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
ノビサドのデモ会場の路面には赤いペンキで「事故発生から100日、誰も責任を取らない」と書かれていた。
政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めている。
ブチッチ氏はデモ隊を「外国勢力」と呼び、公共放送RTSもデモ隊が外国から報酬を得ていると主張。「国家転覆を企てている」と連日放送してきた。
ブチッチ氏は先週、デモ参加者が外国の諜報機関のために働いていると主張。「国家転覆を目的とする有色人種革命が起きようとしている」述べ、これを阻止すると誓った。
検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。