◎事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口付近で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む14人が死亡、3人が重傷を負った。
セルビアのベシッチ(Goran Vesic)建設相が4日、辞意を表明した。北部ノビサドの駅天井が崩落し、14人が死亡した事故の責任を取ったとみられる。
ベシッチ氏は首都ベオグラードの記者団に対し、「明日の朝、辞表を提出する」と語った。
事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口付近で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む14人が死亡、3人が重傷を負った。
地元メディアによると、議会はベシッチ氏の辞任を承認する見通し。
この駅は近年2度改修工事が行われたものの、今回崩落した天井は工事に含まれていなかった。
国営メディアが放送した防犯カメラの映像には天井が突然崩れ落ちる様子が映っていた。崩落の原因は分かっておらず、検察を含む関係機関が調査している。
ベオグラードでは3日から野党主導の抗議デモが行われている。デモ隊はブチッチ政権が自分たちの利益にならない工事を後回しにし、ボロボロの公共施設を放置していると主張。天井の改修が行われなかった理由を明らかにするよう求めている。
野党はこの事故を「人災」と呼び、汚職の横行、透明性の欠如、ずさんな工事計画が事故につながったと非難している。
また野党はブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と政府与党の閣僚らに辞任を要求。応じない場合はストライキを含むより広範な抗議デモを行うと警告した。
野党は4日、「ベシッチ氏は真犯人のスケープゴートに過ぎない」と声明を出した。
ベシッチ氏は犠牲者に哀悼の意を表したうえで、「天井が崩落したのは政府与党の責任」という野党の主張を否定。「彼らは何でも人のせいにする」と述べた。