◎EU加盟を目指すセルビアは西側の対ロシア制裁に加わらず、ウクライナ侵略を一度も非難していない。
ハンガリーのオルバン(Viktor Orban)首相が22日、セルビアの首都ベオグラード近郊で行われた軍事演習を視察し、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と会談した。
オルバン氏は予告なしでセルビアを訪問。極右のブチッチ氏はEUのポピュリストリーダーを歓迎し、「友人を招くことができて嬉しい」と喜びを表明した。
ブチッチ氏は自身のインスタにも写真と声明を投稿。「セルビアとハンガリーの関係は、両国の歴史の中で最も高いレベルにある」と書き込んだ。
両首脳はウクライナに攻め込んだロシアとの関係を重視し、欧米の対ロシア制裁に反対している。
EU加盟を目指すセルビアは西側の対ロシア制裁に加わらず、ウクライナ侵略を一度も非難していない。
EU・NATO加盟国であるハンガリーは対ロシア制裁を批判し、西側の連帯に打撃を与えてきた。
オルバン氏はウクライナの子供の違法連行をめぐる戦争犯罪の疑いで逮捕状が出ているプーチン(Vladimir Putin)大統領が入国しても逮捕しないと明言している。
22日の軍事演習ではロシア製のミグ29(MiG-29)戦闘機や最近納入された中国の対空ミサイルシステムなども紹介された。
セルビアの軍備増強は1990年代の戦争で引き裂かれたこの地域の平和を脅かすと懸念されている。
ブチッチ氏は記者団に対し、「ウクライナの戦争を注視しながら軍用機の購入計画を策定する」と語った。
ブチッチ氏はユーゴスラビア紛争で戦争犯罪に問われたシェシェリ(Vojislav Seselj)氏率いる政権の幹部のひとりであった。