◎与党・セルビア進歩党(SNS)は今月の国民議会選と地方議会選で野党を圧倒した。
セルビアの首都ベオグラードで30日、総選挙の結果とブチッチ政権に抗議する野党デモが開かれ、数千人が参加した。
デモ隊は与党・セルビア進歩党(SNS)が票を操作したと主張。国際社会に調査を要請した。
またデモ隊はブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領を「泥棒」「ロシアの犬」「リトルプーチン」などと呼び、辞任を要求した。
SNSは今月の国民議会選(一院制、定数250)と地方議会選で地滑り的勝利を収め、野党デモに「外国勢力が関与している」と主張。「外国勢力が国家機関を乗っ取ろうとしている」と非難した。
野党連合はSNSが有権者を買収したり、投票箱にSNS議員票を大量に「ねじこんだ」と主張している。
先週末の抗議デモは暴動に発展。機動隊と衝突する事態に発展した。
30日の集会には17日の投票以来、ハンガーストライキを続けている野党議員などが参加。この議員は体調を崩しており、デモ後、市内の病院に搬送された。
野党は欧米の複数のオブザーバーが買収や集計で不正が散見されたと報告したことを受け、米国を含む西側に調査を求めている。
また地元の選挙監視団は「セルビアだけでなく近隣諸国のロシア系有権者がバスでベオグラードなどの都市部に運ばれ、投票に参加した」と主張している。
ブチッチ氏とSNSはこの主張を「とんでもないでっち上げ」「政府転覆を画策する勢力の偽情報」と一蹴した。
ブチッチ政権は主要欧州諸国の中で唯一、西側の対ロシア制裁に参加していない。