▽セルビアでは北部ノビサド駅の事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
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セルビアの抗議デモを主導する学生ユニオンがブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に解散総選挙を要求している。
学生ユニオンは5日深夜にソーシャルメディアアカウントを更新。ブチッチ政権に対し、「進行中のデモと深刻な政治危機を打開するには解散総選挙をやるしかない」と投稿した。
セルビアでは北部ノビサド駅の事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。
ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。
国営放送や地元のタブロイド紙は学生ユニオンを「過激派」「外国勢力」などと呼び、市民に支持しないよう働きかけてきた。
デモ隊は汚職、怠慢、安全規制の無視が横行した結果、ノビサド駅の改修がおろそかになったと主張し、ブチッチ氏に責任を取るよう求めている。
学生ユニオンは声明で、「政府の腐敗は国家機関に深く根を下ろしており、独立して職務を遂行することができない。このような政治危機を解決するには民主主義、選挙が唯一の正しい方法だと私たちは信じている」と述べた。
ブチェビッチ(Milos Vucevic)首相は以前、学生ユニオンの案を拒否し、「政府が要求に屈し、議会を解散すれば取り返しのつかない事態になる」と主張していた。
政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。
検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。