◎リチウムは自動車、スマートフォン、コンピューターなどの電子機器類に使われる非常に価値の高い鉱物であり、「ホワイトゴールド」と呼ばれている。
2024年9月1日/セルビア、首都ベオグラード、リチウム掘削プロジェクトに抗議するデモ(AP通信)

セルビア・ベオグラードで1日、政府与党が推進するリチウム採掘プロジェクトに抗議する集会が開かれ、数千人がシュプレヒコールを上げた。

デモ隊はEUがこの採掘プロジェクトを後押していると非難。ブチッチ政権に対し、計画を白紙に戻すよう求めた。

またデモ隊はブチッチ政権がこのプロジェクトに反対する環境活動家を積極的に取り締まっていると非難した。

デモはベオグラード中心部にある公共放送RTSの本社前で行われた。

ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領寄りのRTSは数カ月前から続くこのデモをウクライナのマイダン革命(2013年)になぞらえ、大規模な反対キャンペーンを展開している。

デモ隊はRTSが警察による活動家の取り締まりを報じず、無視している主張した。

デモの主催者などによると、ベオグラードやその他の都市で先月行われたデモでは数十人の活動家が逮捕された。警察は活動家の自宅を家宅捜索し、パソコンや携帯電話を押収したという。

主催者のひとりである女性活動家は演説で、「過去2カ月の間に30~60人の環境活動家が恣意的に拘束されたり、尋問を受けたりした」と語った。

デモ隊はボスニア・ヘルツェゴビナの国境近くにあるリチウム鉱床における採掘計画がこの地域の水源や土地を危険にさらしていると主張している。

一方、政府はリチウムが経済成長を劇的に後押しすると主張。デモ隊を「外国勢力の工作員」と呼び、国民に賛同しないよう呼びかけている。

この採掘計画は2年前、デモ隊がベオグラードの幹線道路や橋を何日も占領した後、取り消された。しかし、政府は今年7月、この計画を復活させた。

EUはセルビア政府と「重要原材料」に関する協定を結んでおり、これが計画を後押ししたと指摘する専門家もいる。

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