セルビア大統領がウクライナ訪問、「反ロシア宣言」への署名拒否
EU加盟を目指すセルビアはウクライナ戦争が続く中、ロシアとの緊密な関係を維持し、西側の対ロシア制裁にも参加していない。
とセルビアのブチッチ大統領(AP通信).jpg)
セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領が11日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、初めてウクライナを訪問した。
ブチッチ氏のウクライナ訪問は就任以来10年以上ぶり。南部オデーサ州で開催されたウクライナと東南欧12カ国との首脳会談に出席した。
ロシア寄りのブチッチ氏はゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領とも会談し、もてなしに謝意を表明したが、より厳しい対ロシア制裁を求める共同宣言への署名は拒否した。
EU加盟を目指すブチッチ氏はウクライナ戦争が続く中、ロシアとの緊密な関係を維持し、西側の対ロシア制裁にも参加していない。
ブチッチ氏はEU指導部の警告を無視し、5月9日には2次世界大戦で旧ソ連がナチスに勝利したのを祝うロシアの戦勝パレードに出席した。
ブチッチ氏は11日、セルビアメディアの取材に対し、反ロシア宣言への署名を拒否したことについて、「簡単な決断ではなかった」と語った。
またブチッチ氏は対ロシア制裁が署名拒否の理由のひとつであると述べた。
ロシア対外情報局(SVR)は先月末、セルビアがウクライナに武器を輸出していることを非難し、それを「裏切り行為」と呼んだ。
セルビアによるウクライナへの武器輸出は主にウクライナ軍が使用している旧ソ連時代の弾薬が中心で、以前から知られていた。
セルビアによるウクライナへの武器輸出は23年初頭に情報が洩れて以来、公然の秘密となっていた。ロシアは当時、この件を調査すると述べていた。