◎セルビアは国内で消費するガスのほぼすべてをロシアから輸入している。そのパイプラインはすべて近隣諸国を経由している。
セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は14日、米政府がセルビアに天然ガスを供給しているロシアの国営ガス会社に制裁を科す予定であると明らかにした。
ブチッチ氏は公共放送RTSのインタビューで、「セルビアは禁輸制裁に関する決定が来年1月1日に発効することを公式に通知されたが、今のところその関連文書を受け取っていない」と語った。
米政府はコメントを出していない。
セルビアは国内で消費するガスのほぼすべてをロシアから輸入している。そのパイプラインはすべて近隣諸国を経由している。
ガスはロシアの国営ガス独占企業「ガスプロム(Gazprom)」が株式の大半を保有するセルビア石油産業(NIS)によって各家庭に送られている。
ブチッチ氏は「公式文書を入手次第、決定を覆すためにまず米国と話し、それからロシアと話す」と述べた。
またブチッチ氏は「ロシアとの友好関係を維持し、制裁を科している国々との関係も損なわないようにする」と主張した。
セルビアはEU加盟を目指しているが、ウクライナ侵攻をめぐる西側の対ロシア制裁への参加を拒否している。
ブチッチ氏は禁輸の脅威にもかかわらず、「ロシア制裁の可能性について議論する準備は今のところできていない」と述べた。