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セルビア駅崩落事故、前建設相含む13人追起訴、16人死亡

この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。
2024年11月1日/セルビア、北部ノビサド、コンクリート製の天井が崩落した駅入り口(AP通信)

セルビアの検察当局は16日、北部ノビサド駅で昨年発生した崩落事故に関連し、ベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を追起訴したと明らかにした。

ノビサド検察庁によると、ベシッチ氏とその補佐官、鉄道会社の幹部ら12人は過失致死罪や公共の安全に関する罪などで追起訴されたという。

この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。

ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

現地メディアによると、被告らは当時、建設工事が進行中、当局の許可が下りていないにもかかわらず、駅舎の使用を開始することを決めたという。

13人は「駅舎構造の維持管理義務違反、駅舎改修の設計・施工段階における刑事上の違法行為」などにも問われている。

セルビアではこの事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で続いている。

事故の概要
  • 日時・場所:2024年11月1日正午前(現地時間11:52頃)、セルビア北部の都市ノビサドの鉄道駅入口付近で発生。

  • 事故の内容:駅舎の屋外庇(キャノピー/屋根のひさし)の約35メートル部分が崩落し、屋根の下を通行中またはベンチで待機中だった人たちの上に落下。

  • 死傷者数:最終的に16人が死亡(救出された負傷者のうち、その後1人が死亡)と報じられている。初期には14人死亡、3人重傷の報告があったが、その後の怪我人のうち少なくとも1人が死亡し、死亡者数は15〜16人に上るとの報道。重傷者もおり、屋根下にとり込まれて救助された人がいる。被害者の年齢層は幅広く、6歳の子供も含まれていた。

  • 建物の経緯:駅舎自体は1964年に建設された。過去数年にわたって改修工事が行われており、駅全体が改修工事の対象となっていたが、崩落した庇の部分は最後の改修工事では対象外だった、という主張がある。報道では、改修工事を担ったのはセルビア側だけでなく中国などを含む企業との協力であったことも指摘されている。


原因・責任の調査
  • 原因は現在調査中であり、構造的欠陥、メンテナンス不良、設計上の問題、改修工事の品質の問題などが疑われている。政府は建設・保守・監督機関に責任を求める調査を開始している。

  • 責任者としては、改修を担当した設計者、監理者、建築会社、国家のインフラ・建設省関係者などが含まれており、数名が逮捕または起訴されている。ベシッチ氏がその一人。監督責任や不正・施工の不備などの疑いがかけられている。

  • また、改修工事と駅舎の全体設計の監理における透明性の欠如、許認可プロセスの不備、公共安全基準遵守の怠慢なども批判対象となっている。

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