◎セルビアとNATOの関係は冷え切っている。
セルビア軍は30日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐるバルカン半島の懸念が高まる中、新たな中国製地対空ミサイルを公開した。
政府は公開した中国製ミサイルシステムの購入も合わせて発表したため、親中国・ロシア派のセルビア極右政権が地域の安全保障を脅かすという懸念が高まった。
兵器は首都ベオグラード近郊の飛行場に展示され、一般市民とメディアも招待された。そこには中国製武装ドローン、ロシア製戦闘機、中国のミサイル、フランスのミサイルなども並べられていた。
セルビアのブチッチ大統領は2017年にロシアから寄贈されたオーバーホール済みのミグ戦闘機を使った曲芸飛行ショーを鑑賞した後、「セルビア軍を誇りに思う」と記者団に語った。「素晴らしい進歩を誇りに思います」
ブチッチ大統領は中国製地対空ミサイルについて、「この兵器システムは脅威ではなく、潜在的な攻撃者に対する強力な抑止力に過ぎない」と語った。
これは1999年にNATO軍がコソボ紛争の中でセルビアを空爆したことを指していると思われる。
西側諸国はコソボの独立を承認しているが、セルビア、中国、そしてロシアはこれを認めていない。セルビアとNATOの関係は冷え切っている。
セルビアはEU加盟を目指しつつ、ロシアの戦車、ミグ戦闘機、武装ヘリコプター、ドローンなどを積極的に取り入れ、コソボに圧力をかけている。
地元メディアによると、FK-3と呼ばれる中国の高性能地対空ミサイルシステムは先月、中国空軍の輸送機12機によってベオグラードに届けたという。
セルビアはロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議に賛成しているが、欧州の対ロシア制裁には加わらず、ロシアを明確に批判することも避けている。
セルビアの州のひとつだったコソボは1998年のコソボ紛争でセルビアと衝突し、2008年2月に独立を勝ち取った。