◎国を8年間率いてきたスタージョン首相は先週、辞意を表明した。
スコットランドの与党・スコットランド国民党(SNP)は24日、スタージョン(Nicola Sturgeon)首相の後任を決める総裁選に3人が立候補を届け出たと発表した。
BBCなどによると、フォーブス(Kate Forbes)財務相、ユーサフ(Humza Yousaf)保健相、リーガン(Ash Regan)議員の3人が立候補を表明したという。
国を8年間率いてきたスタージョン氏は先週、辞意を表明した。
SNPによると、3人は立候補に必要な100人以上の推薦を確保したという。
総裁選には党本部と地方支部の全議員が参加。投票は3月13日に始まり、27日に新党首が決まる予定だ。
フォーブス氏は最有力候補と目されていたが、今週、同性カップルの結婚を認めることに賛成票を投じるのは信仰の問題から難しいと発言し、猛批判を浴びた。
スコットランド議会は2014年に同性婚を合法化している。この時、フォーブス氏はまだ議員になっていなかった。
SNPの議員数人はフォーブス氏の発言を受け支持を取り下げたものの、信仰をオープンにする姿勢を称賛する声も上がった。
フォーブス氏とリーガン氏はともに、トランスジェンダーの性別変更を容易にするスタージョン政権が提唱する法案に反対している。
この法案は人権団体から画期的と称賛されたが、レイプ撲滅を目指す団体などは「男女別空間(トイレや更衣室など)を守る取り組みが危険にさらされる可能性がある」と警告している。
次期首相はスコットランド議会で可決されたものの、英連邦政府に阻止されたこの法案をどうするか決めなければならない。
一方、スタージョン氏はEU離脱を強行した英与党・保守党と対立し、スコットランドの独立を目指したものの、住民投票を再実施するという取り組みは暗礁に乗り上げている。
スコットランドの有権者は2014年の投票で英国残留を支持した。
SNPは再投票を希望しているが、英政府は2014年の投票で民意は示されたと指摘している。
英最高裁は昨年11月、英政府の承認なしで住民投票を行うというスタージョン政権の提案を違憲と判断した。