◎投票を拒否したウクライナ人20人以上が逮捕された。
ロシアの占領下にあるウクライナ東部・南部の4州でロシア大統領選の投票が強制されている。
ロシア本土の投票は15日から始まる。
ソーシャルメディアには「投票箱を持った女が有権者の自宅を訪問し、投票を強制している」「チェチェンの武装兵が投票を拒んだ有権者を逮捕した」という投稿が多数寄せられている。
選挙は厳しい制限下で実施されている。ロシアに編入された4州(ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ)の多くの市民がこれらの地域から逃げ出したり、強制送還された。
国際的な選挙監視団はいない。中央選挙管理委員会は好きなように票を操作し、プーチン(Vladimir Putin)大統領の再選を高らかに宣言するだろう。
ロシア政府はウクライナ4州に「自分たちの大統領に投票しよう」「ナチ政権を打ち負かそう」「祖国の未来に投票しよう」などといった看板を設置。ロシア国旗の色をした「V」はロ軍の戦車に描かれた文字、プーチン氏のファーストネームにちなんだものである。
ワシントンD.C.のシンクタンク、欧州政策分析センター(CEPA)は今回の選挙について、「軍事占領の延長、戦争そのものである」と酷評している。
ロシア当局は投票所を設置するだけでなく、投票箱を持った職員を各家庭に派遣している。
CEPAはこの選挙を「忠誠心を試すテスト」と呼んでいる。
2014年に併合された南部クリミア半島の投票は15日から始まる予定だ。
ドネツク州のウクライナ当局は「ロシアの支配下にある市民が投票を強制されている」と非難。それによると、機関銃を持ったチェチェン軍人が投票箱を持った職員に同行しているという。
「チェチェンのテロリストはプーチンに投票しないと逮捕すると有権者を脅し、代わりに投票してやってもいいと言うこともあるようだ...」
ソーシャルメディアには「投票箱と銃を同時に向けられた」「投票用紙に何と書いたかチェックされた」「プーチン大統領に投票しないと家族が大変な目に遭うと脅された」などと言った書き込みが散見されている。
人権団体によると、投票を拒否したウクライナ人20人以上が逮捕されたという。
プーチン氏の再選は投票前から決まっているといっても過言ではない。あるX(旧ツイッター)ユーザーはこう投稿している。「選管は今すぐプーチンが得票率100億%で再選したと発表しろよ」