◎ロシアはウクライナ軍による領内への越境攻撃が多発していることを受け、ハルキウ州の制圧に動いたとみらえる。
ロシア国防省は11日、ウクライナ東部ハルキウ州に新たな地上攻撃を仕掛け、前線近くにある5つの集落を占領したと発表した。
ウクライナ当局によると、ロシア軍によるハルキウ州への新たな攻撃により、民間人1700人以上が避難を余儀なくされているという。
ロシアはハルキウ州の国境沿いを占領し、「緩衝地帯(グレーゾーン)」を設ける狙いがあるとみられる。
ウクライナ国営テレビはハルキウ州の4つの集落がロシア軍に占領されたと報じた。それによると、集落の住民たちは警察やボランティアが運行するバスで第2の都市ハルキウ市などに避難している最中だという。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日午後の声明で、「ハルキウ州の前線近くにある7つの集落で戦闘が続いている」と明らかにした。
米シンクタンク戦争研究所は10日、ロシア国境に近いハルキウ州の1つの集落がロシアの占領下に置かれたと報告していた。
ロシアの戦争ブロガーもハルキウ州で戦闘が激化したと書いている。あるブロガーは隣国ベラルーシで兵器や弾薬を補充した部隊が道を切り開いたと主張した。
ウクライナ大統領府によると、ロシア軍による直近24時間の攻撃で民間人少なくとも3人が死亡、5人が負傷したという。
ハルキウ州政府は11日、前線に近い3つの集落とその周辺で激しい戦闘が続いているものの、自軍が有利に立っており、ロシア軍を押し戻していると報告した。
国境の町ヴォフチャンスクでは警察とボランティアが住民の避難を支援する中、複数の建物が空爆を受けた。警察によると、10日には約900人がハルキウ市などに避難したという。
ロシアはウクライナ軍による領内への越境攻撃が多発していることを受け、ハルキウ州の制圧に動いたとみらえる。
ウクライナ東部ルガンスク人民共和国のロシア当局は11日、ウ軍が市内の石油貯蔵施設を攻撃し、4人が死亡、8人が負傷したと明らかにした。
東部ドネツク人民共和国でもウ軍が市内のレストランを砲撃し、3人が死亡したと伝えられている。