◎プーチン政権は近年、退廃的とされる西側のリベラリズムに対抗するため、いわゆる「伝統的価値観」を守る法律を次々に導入している。
ロシア連邦議会上院は20日、性別移行が合法である国の市民による子供の養子縁組を禁止する法案を可決した。
また上院は子供を持たないことを奨励する情報の拡散を禁止する法案も併せて可決した。
下院は先週、両法案を可決していた。ホルモン療法や性別適合手術等による身体的な性別移行に反対するプーチン(Vladimir Putin)大統領の署名で成立する予定だ。
法案の共同提出者であるウォロジン(Vyacheslav Volodin)下院議長はSNSに声明を投稿。「ロシアの大切な子供が性別移行を認める国に送られることを防ぐことが重要である」と書き込んだ。
この養子縁組禁止令は西欧の敵対国、オーストラリア、アルゼンチン、カナダなど、少なくとも15カ国に適用される。
米国市民によるロシアの子供の養子縁組は2012年に禁止された。
子供を作らないよう宣伝することを禁止する法案は違反者に最高500万ルーブル(約780万円)の罰金を科すとしている。その適用範囲は曖昧で、子供を持つことに反対するだけで罪に問われる可能性がある。
法案の支持者は西側諸国がロシアの人口減少を促し、弱体化させるために子供を持つことに反対するプロパガンダを流していると主張している。
プーチン政権は近年、退廃的とされる西側のリベラリズムに対抗するため、いわゆる「伝統的価値観」を守る法律を次々に導入している。
昨年には性転換を禁止。最高裁判所はLGBTQ+(政敵少数者)を支持する団体や運動を過激派に指定した。