◎ロシアで最も有名な独立系紙ノーバヤ・ガゼータは、編集長であるドミトリー・ムラトフ氏が2021年にノーベル平和賞を受賞したことで世界的な注目を集めた。
モスクワ高裁は7日、ロシアで最も信頼できる独立系メディアのライセンス免許取り消すという地裁の判決を支持した。
ロシアで最も有名な独立系紙ノーバヤ・ガゼータは、編集長であるドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)氏が2021年にノーベル平和賞を受賞したことで世界的な注目を集めた。
しかし、モスクワ地裁は昨年9月、同紙のライセンスを取り消すという規制当局の決定を支持。反政権派に対する弾圧を容認した。
ムラトフ氏は控訴したが、高裁は7日、これを棄却し、ノーバヤ・ガゼータはライセンスを失った。
規制当局は同紙がライセンス維持に必要な書類を期限内に提出しなかったと主張したが、ムラトフ氏はこの主張を否定し、当局は反政権派を封じ込めるために独立系メディアやジャーナリストを弾圧していると非難した。
ムラトフ氏は7日、裁判所前で記者団の取材に応じ、「判事は国民にプロパガンダを発信する集団の背後に回った」と断じた。
プーチン(Vladimir Putin)大統領は昨年2月24日の開戦から数日後、ロシア軍を中傷したり、侵略戦争の偽情報を広めることを禁じる大統領令に署名した。
その結果、ロシアの独立系メディアは軒並み閉鎖に追い込まれ、海外メディアもロシア国内ではウクライナ関連の正確な情報を発信できなくなった。
ノーバヤ・ガゼータは昨年3月、ロシア国内での業務を停止すると発表した。しかし、近隣諸国に退避したスタッフは新たな独立メディア「ノーバヤ・ガゼータ欧州」を立ち上げ、ウクライナ侵攻に関する情報を発信し続けている。