ロシア裁判所、反プーチン活動家に懲役6年の実刑判決
ウダルツォフ氏はロシアの野党・反体制運動の著名人物であり、2011〜12年に広範な不正選挙への抗議デモが発生した際には中心的な役割を果たした。
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ロシアの裁判所は12月25日、プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判してきた活動家ウダルツォフ(Sergei Udaltsov)被告に対し、テロを扇動したとして、懲役6年の実刑判決を言い渡した。ウダルツォフ氏は共産党と関係する左翼運動「左翼戦線」の指導者で、昨年逮捕された。
判事が問題視したのは、ウダルツォフ氏がオンラインに投稿した記事、テロ組織とされるロシア人活動家グループへの支持を表明した内容だったとする報道がある。このグループの活動家たちは今月初めに「テロ組織結成」の罪で実刑判決を受け、それぞれ16〜22年の懲役刑を言い渡されている。
ウダルツォフ氏は起訴内容を全面的に否定、判決後に「恥ずべき判決だ」と裁判所を批判し、ハンガーストライキに入る意向を示したと報じられている。また弁護士は今回の起訴を捏造されたものだと主張しているという。
ウダルツォフ氏はロシアの野党・反体制運動の著名人物であり、2011〜12年に広範な不正選挙への抗議デモが発生した際には中心的な役割を果たした。
ウダルツォフ氏はこれまでにも当局による弾圧に直面してきた。2023年12月、モスクワの赤の広場でソビエト独裁者の旗を広げようとして拘束され、その後40時間の強制労働を命じられた過去がある。また、2014年には反プーチンデモの組織化に関与したとされ、4年半の実刑判決を受けて2017年に釈放された。
今回の判決はロシア政府による言論統制と弾圧の強化が続く中で出されたものであり、ウクライナ侵攻以降、当局は反対意見や独立した市民団体、メディア、宗教・LGBTQ+関係者など幅広い対象を次々と摘発・処罰している。数百人が投獄され、数千人が国外に逃れたとする報道もある。
国際社会や人権団体はロシア国内での反体制活動に対する取り締まりが強権的に進んでいるとして懸念を表明してきた。こうした状況は、表現・報道の自由や政治的多様性が大きく制限されている現実を反映しているとの分析がある。今回の判決もその流れの一環と受け止められている。
報道によると、ウダルツォフ氏の服役先は最高レベルの収容施設であり、今後の拘禁中の権利や扱いについての懸念も取り沙汰されている。こうした背景から、ロシアにおける言論・政治活動の自由を巡る国際的な議論は一段と高まっている。
