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2024モスクワテロ裁判、被告19人に有罪判決、149人死亡


事件は2024年3月22日、モスクワ西部の大型コンサート施設クロッカスシティホールで発生した。
2026年3月12日/ロシア、首都モスクワの裁判所(AP通信)

ロシア・モスクワの裁判所は12日、2024年にモスクワ郊外のコンサートホールで起きた大規模テロ攻撃に関与したとして、被告19人に有罪判決を言い渡した。この事件では149人が死亡、600人以上が負傷する惨事となり、近年のロシアで最も深刻なテロの一つとされている。

事件は2024年3月22日、モスクワ西部の大型コンサート施設クロッカスシティホールで発生した。人気ロックバンドの公演を待っていた観客の前に複数の武装した男が押し入り、自動小銃で無差別に発砲した後、建物に火を放った。会場には多くの観客が集まっており、銃撃と火災によって多数の死傷者が出た。

当局によると、実行犯とされる4人はいずれも中央アジアのタジキスタン国籍で、襲撃後まもなく拘束された。イスラム国(ISIS)系組織のひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)が犯行声明を出し、事件への関与を主張している。

裁判では19人の被告全員に長期刑が言い渡された。報道によると、主犯格を含む15人には終身刑、残る4人のうち1人には22年6カ月、3人にはそれぞれ19年11カ月の懲役刑が言い渡された。さらに、被告らには50万~270万ルーブルの罰金も命じられた。

終身刑を受けた被告はまず刑務所で服役した後、厳重警備の「流刑地型刑務所」で刑期を続けることになる。裁判は2025年8月に開始され、テロ事件に関する裁判の慣例に従い軍事裁判所が担当した。安全上の理由から審理は非公開で行われ、3人の裁判官が審理を担当した。

被告の中には、実行犯に車を売却した人物やアパートを貸した人物など、犯行を支援したとされる者も含まれていた。検察側はこうした人物が武装集団の移動や潜伏を助けたと主張していた。

事件をめぐっては政治的な論争も続いている。プーチン政権や捜査当局は証拠を示さないままウクライナが関与した可能性を主張しているが、ウクライナ政府は関与を強く否定している。

一方、人権団体などは、拘束された容疑者が裁判前に拷問を受けた可能性があると指摘している。初期の法廷出廷時には、被告の一部に殴打を受けたとみられる痕跡が確認されたと報じられ、捜査手続きの透明性をめぐる懸念も出ている。

クロッカスシティホール襲撃はロシア国内で長年続くテロ対策の課題を改めて浮き彫りにした。事件後、当局は中央アジア出身の移民に対する取り締まりを強化し、治安対策の見直しも進めている。今回の判決は事件の刑事責任を一定程度確定させた形だが、組織的背景や計画の全容については依然として議論が続いている。

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