◎ロシアのドミトミー・ペスコフ報道官は声明で、「ウクライナにNATO軍が配備された場合、ロシアは追加措置を講じる」と述べた。
報道によると、ロシア軍はウクライナ東部での大規模な軍事演習を開始し、ウクライナを支援する北大西洋条約機構(NATO)に対する圧力を強化したという。
ロシアのドミトミー・ペスコフ報道官は声明で、「ウクライナにNATO軍が配備された場合、ロシアは追加措置を講じる」と述べた。
NATOの米軍は現在、東部国境付近におけるロシアの侵略のエスカレーションを理由に、警戒態勢を強めている。
NATOの関係者はロイター通信の取材に対し、「ロシアは東部国境付近の緊張を緩和する努力を弱体化させています」と述べた。「NATOの同盟国は、ウクライナとその周辺地域でのロシアの大規模な軍事演習に対する懸念を共有しています」
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4月2日の声明で、「軍事演習と挑発はロシアのお家芸」と非難した。
ホワイトハウスは声明で、「バイデン大統領はゼレンスキー大統領とクリミアの侵略とドンバス戦争について話し、ウクライナの主権と領土保全に対するアメリカの揺るぎない支持を伝えた」と述べた。
これに対し、ロシアのペスコフ報道官は、「ウクライナ軍はドンバスの脆弱な停戦協定(ミンスクⅡ)に毎日違反しています」と反発した。「ウクライナ軍はロシアの領土近くに軍隊を送り、挑発行為を続けています」
ウクライナのドミトロ・クレバ外相はAP通信の取材に対し、「ロシア軍は違法に占領した東部の戦力を増強している」とロシア軍の動きを非難した。
ドンバス戦争は再燃の動きを見せており、3月26日にはドネツク人民共和国(自称)の近くでウクライナ兵4人が砲撃を受け死亡している。
ロシアは2014年3月にクリミアを強奪し、「クリミア共和国(自称)」「ドネツク人民共和国(自称)」「ルガンスク人民共和国(自称)」の独立を承認した。
ドネツク地域とルハンシク地域を占領した反政府勢力はロシアの支援に依存しており、西側政府はロシア軍が同地域に重火器と軍隊を配備したと主張したが、ウラジーミル・プーチン大統領はこの主張を却下している。
ウクライナの陸軍司令官、ルスラン・コムチャック将軍は先日、ロシア軍が東部に28個の大隊戦術グループを配備したと述べた。伝えられるところによると、兵士の数は20,000~25,000人に達する可能性があるという。ただし、ロシアはこの主張も却下している。
コムチャック将軍は声明の中で、「ロシアはドネツクとルハンシクの反政府勢力部隊に約3,000人の兵士と多くの軍事教官を派遣し、ゲリラ軍を教育している」と述べた。
一方、ペスコフ報道官は、「ロシア連邦は自国の領土内で軍隊を動かしており、誰にも迷惑はかけていない」と西側の主張を却下した。「ロシア軍はロシアの領土で訓練しており、誰にも迷惑はかけず、脅威もあたえません」
ウクライナ、ロシア、クリミア、ドネツク、ルガンスクはドンバス戦争終結に向けたロードマップに2019年10月に合意したが、話し合いは一向に進んでいない。