◎ロシア軍は東部ドンバスと南部地域に対する攻勢を強めているように見える。
左:ウォロディミル・ゼレンスキー大統領 右:ウラジーミル・プーチン大統領(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、ロシア軍が撤退しない限り停戦には合意せず、ロシア軍が占領地域にとどまるような取引には応じられないとした。

ゼレンスキー大統領はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のCEOカウンシルサミットの演説で、ロシア軍が占領地域にとどまるような停戦協定には応じられないと述べたが、それ以上の詳細には言及しなかった。

またゼレンスキー大統領は、ロシア軍がとどまることを認めれば、2015年にフランスとドイツが仲介した東部ドンバスの停戦協定ミンスクⅡのような「泥沼」に引きずり込まれると警告した。

ロシアは2014年にクリミアを併合し、ドンバスのテロ国家であるルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国に部隊と兵器を配備した。

ゼレンスキー大統領は、「ウクライナ軍は紛争の第1段階としてロシアの攻撃を止め、第2段階では自国の領土からロシア軍を追放し、第3段階で領土の完全性を回復する」と説明した。

プーチン大統領は侵攻を終わらせる条件のひとつとして、ウクライナに対し、クリミアにおけるロシアの主権と、ルガンスクとドネツクの独立を認めることを挙げている。

ゼレンスキー大統領はプーチン大統領と直接会談しなければならないと強調した。「現在の停戦交渉は、ロシア大統領が署名するか、公式声明を出さない限り、意味がないと思う...」

ロシア軍は東部ドンバスと南部地域に対する攻勢を強めているように見える。

ウクライナ国防省のモツヤニク報道官は4日、ロシア軍は3日だけで50回近く空爆を行ったと発表した。

またモツヤニク報道官は南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に対する攻撃も続いているとした。「ロシア軍はウクライナ東部における軍事作戦のテンポを上げようとしています...」

モツヤニク報道官は、「ロシアの戦略爆撃機がカスピ海上空からウクライナの輸送インフラに向けてミサイル18発を発射した」と説明した。

ロシアはドンバスのテロ国家とクリミアを結ぶ陸上回廊を形成するために、アゾフ海に面する要衝マリウポリと周辺地域を完全制圧したいと考えている。

モツヤニク報道官はアゾフスタリ製鉄所の状況について、ロシア軍は地下にたてこもるウクライナ軍への攻撃を繰り返しているとした。

マリウポリ市長も4日の声明で、製鉄所への攻撃は続いていると述べた。

しかし、ロシアのペスコフ報道官は製鉄所への攻撃を否定した。「最高司令官(プーチン大統領)は製鉄所への攻撃を中止するよう公式に命じています...」

「製鉄所のロシア兵は臨戦態勢を維持しており、それに関連するエスカレートがみられたと報告を受けています。これらの試みは抑制されているため、特に言うことはありません」

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