◎プーチン大統領が先週発表した予備役の部分動員令は広範な抗議デモと混乱を引き起こしている。
ロシア大統領府は26日、予備役の部分動員にミスがあったと認めた。
報道によると、兵役経験のない老人、障がい者、学生などに招集令状が届いたという報告が相次いで寄せられたという。
大統領府のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は問題があったことを認め、「ミスは速やかに訂正される」と強調した。
プーチン(Vladimir Putin)大統領が先週発表した予備役の部分動員令は広範な抗議デモと混乱を引き起こしている。
ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は兵役経験のある予備役30万人を動員すると説明したが、ロシアの独立系メディアは最大100万人が死地に送られると報じた。
独立系紙ノーバヤ・ガゼータ欧州によると、プーチン氏が署名した法令は必要な予備役の数について言及したと思われる1段落が機密扱いになっているという。
西側とウクライナは予備役動員について、「ロシア軍のウクライナ侵攻が失敗したことを示している」と指摘した。
動員発表以来、ロシア全土の抗議デモで2000人以上が拘束された。
ペスコフ氏は26日の記者会見で動員のミスを認め、州政府が問題解決を図っていると説明した。
またペスコフ氏は「ロシア国境が閉鎖され、戒厳令が敷かれる」と一部メディアが報じたことについて、「私は承知していない」と主張した。
多くのメディアが市民の国外脱出を阻止するために戒厳令が施行されると報じている。
多くの若いロシア人が出国を希望し、ジョージアの検問所には長蛇の列ができている。
国民の不満は確実に高まっており、シベリアの都市ウスチイリムスクでは若い男が軍の登録・入隊事務所担当者を銃撃した。この担当者は重体と報じられている。
テレグラムで拡散した動画には、男が担当者に近づき銃撃する様子が映っていた。
ロシア南部ダゲスタン共和国では動員に反対するデモ隊と警察が衝突。独立系人権団体OVDインフォによると、デモに参加した市民100人以上が拘束されたという。
一部のメディナは各地の登録・入隊事務所で放火や攻撃が報告されたと報じている。
プーチン氏は先週のテレビ演説で動員する予備役の数に言及しなかった。しかし、この演説直後、ショイグ国防相は兵役経験のある30万人を集めると発表した。
これは全国の予備役2500万人の1%強にあたるという。動員プロセスは数カ月に渡って行われる予定だ。
法令によると、障がい者は動員されないとみられるが、詳細は不明。専門家は18歳から60歳の男性、場合によっては60歳以上の男性も動員される可能性があるとみている。
ロシアの一部の評論家もプーチン氏とショイグ氏の発表に疑問を投げかけている。
ある専門家は法令に「動員対象外」の項目が設けられていないことに懸念を表明している。独立系紙ノーバヤ・ガゼータ欧州は、「対象は決まっておらず、各地域の指導者が決める」と報じている。
プーチン氏は24日、学生を対象から除外する新たな法令に署名した。