◎カリーニングランド州はロシア本土と国境を接していない。
ロシア政府は21日、リトアニアがロシア領カリーニングラード州向けの陸上物資の領内通過を禁じたことに強く反発し、深刻な結果をもたらすと警告した。
リトアニア当局は18日、EUの対ロシア制裁に基づき、同国とポーランドに挟まれたカリーニング州の物資の領内通過を禁止すると発表した。
対象物資は石炭、金属、建設資材、先端技術など。
ロシアの安全保障高官はリトアニアの決定を非難し、「敵対的行為に対応する」と警告した。
ロシア軍のバルト海部隊の拠点であるカリーニングランド州はロシア本土と国境を接していない。
カリーニングラード州の人口は100万人と推定され、産業はロシアとEUの原材料輸入に大きく依存している。
州知事によると、この措置で輸入している品目の約50%が禁止対象となった。
21日にカリーニングラード州を訪問した安全保障高官は国営メディアの取材に対し、「リトアニアによる封鎖は国際法に違反する西側の制裁が引き起こした違法行為である」と語った。
高官は「適切な措置」を近い将来取ると警告した。「それはリトアニアの国民に深刻な影響を与えるでしょう...」
リトアニア政府は決定を対ロシア制裁に基づくものとしている。
ランズベルギス(Gabrielius Landsbergis)外相は18日の声明で、「これはリトアニア政府の制裁ではなく、欧州の制裁だ」と述べた。
EUの執行機関である欧州委員会はリトアニアの決定を擁護し、「リトアニア政府はロシアによるウクライナ侵攻の結果、EUが科した制裁を正しく実施しているだけだ」と述べている。
リトアニアはNATO加盟国であり、5条(集団防衛)で守られている。
米国務省のプライス(Ned Price)報道官は21日、米国はリトアニアを支持していると述べた。「米国のリトアニアに対するコミットメントは鉄壁であり、NATO加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなします」