◎ロシア軍はG7首脳がドイツ南部バイエルン州に集まったタイミングを見計らってミサイルを撃ち込んだ。
ウクライナ政府は26日、ロシア軍が首都キーウを含む全土にミサイルを撃ち込み、少なくとも1人が死亡、子供を含む6人が負傷したと発表した。
ウクライナ公共放送によると、ミサイルが直撃したキーウの集合住宅の住民1人の死亡を確認したという。
政府は北部チェルニヒウ州や東部ハルキウ州でも被害が報告されたと明らかにした。
チェルニヒウ州では少なくとも1人が死亡、ハルキウ州の死傷者の有無は明らかにされていない。
ロシア軍はG7首脳がドイツ南部バイエルン州に集まったタイミングを見計らってミサイルを撃ち込んだ。
バイデン(Joe Biden)大統領はサミットに先立ち行ったショルツ(Olaf Scholz)独首相との首脳会電で、「私たちは団結しなければならない」と述べた。
またバイデン氏は、「プーチン(Vladimir Putin)大統領は最初からそれ(ウクライナ併合)を期待していた」と記者団に語った。
ロシア・ウクライナ戦争に対する西側の結束は弱まっているように見える。一部のリーダーはプーチン氏との対話を模索する一方、米国やイギリスなどは兵器供与を加速させている。
ロシア軍のミサイル攻撃を受けたキーウの9階建てアパートと周辺道路はひどく損壊した。AP通信によると、ロシア国籍の女性と少女が瓦礫の中から救助され、病院に搬送されたという。
APは病院関係者の話を引用し、「少女の容体は安定している」と報じた。
ウクライナ軍によると、ミサイルの一部はキーウから1400km以上離れたカスピ海上空を飛行する露軍爆撃機から発射されたという。
ロシア国防省は26日、高精度の兵器でチェルニヒウ州、キーウ西方のジトーミル、西部リビウ州にあるウクライナ軍の訓練センターを攻撃したと発表した。
キーウのクリチコ(Vitali Klitschko)市長はSNSに、この攻撃はG7サミットを意識していると投稿した。キーウに対するミサイル攻撃は6月5日以来3週間ぶり。この攻撃では鉄道修理施設が破壊された。
ロシア軍は東部ルハンシク州セベロドネツクを完全制圧し、同市の対岸都市リシチャンスクへの攻勢を強めているとみられる。
米シンクタンクの戦争研究所によると、ウクライナ軍はロシア軍の火力に押されているが、東部ドンバスの戦況はほぼ膠着状態で、消耗戦の様相を呈しているという。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は西側諸国に、長距離兵器などの重火器を速やかに供与するよう繰り返し呼びかけている。
ドイツのショルツ氏は記者団に対し、「プーチン大統領に明確なメッセージを送る」と語った。「私たちは世界観、民主主義、法の支配に対する信念によって団結しています...」