◎ロシアは欧米の前例のない経済制裁を受け、世界の金融システムから切り離され、4月上旬時点で外貨の半分近くを凍結された。
ロシア政府は9日、ブラジル、中国、インド、ロシア、南アフリカの5カ国からなる新興国グループBRICSに対し、輸出入業務における自国通貨の使用拡大や決済システムの統合を要請した。
2月24日のウクライナ侵攻以来、ロシアは欧米の前例のない経済制裁を受け、世界の金融システムから切り離され、4月上旬時点で外貨の半分近くを凍結された。
国際決済カードのVisaとMasterCardは3月上旬にロシアでの業務を停止し、ロシアの大手銀行も国際的な銀行メッセージ・ネットワークシステムであるSWIFTにアクセスできなくなった。
ロシアの国営メディアによると、シルアノフ財務相は8日に行われたBRICSの会議の中で、「西側の制裁により世界経済は大幅に悪化している」と述べたという。
またシルアノフ財務相は、西側の懲罰的な制裁は、米ドルを基盤とする既存の国際通貨・金融システムを破壊すると指摘した。「輸出入業務における各国通貨の使用、決済システムとカードの統合、独自の金融メッセージ・ネットワークシステム、独立したBRICS格付け機関の創設などが必要です...」
ロシアはSWIFTに代わるシステムとして、SPFSと呼ばれる独自のシステムを立ち上げている。また、独自のカード決済システムMIRは2015年に運用を開始した。
これらはロシアに対する西側の制裁が拡大した場合に備えて、国の経済と金融システムを守るために開発されたものである。
ロシア財務省は9日の声明で、「BRICS諸国は現在の経済状況を安定させる努力の重要性を確認した」と述べた。
ロシア中央銀行は8日、今月末に予定されている定例理事会を前に、政策金利を20%から17%に引き下げた。報道によると、さらなる引き下げもあり得るという。
この引き下げは、侵攻後の2月下旬に実施した緊急利上げを一部撤回するものであった。
シルアノフ財務相は今週、ルーブルの為替レートをより予測しやすく、変動しにくくするための措置について中央銀行と協議していると述べていた。