◎ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は95日目に突入。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられる。
2024年11月8日/ウクライナ、東部ハルキウ州、ロシア軍の空爆を受けた建物(AP通信)

ウクライナ東部ハルキウ州政府は8日、ロシア軍の滑空爆弾が市中心部のマンション近くに着弾し、少なくとも25人が負傷したと明らかにした。

ウクライナ当局によると、ロシア軍はミサイル、爆弾、ドローンで3つの地域を夜間に攻撃したという。

ウクライナ空軍は8日、ロシアが夜間にドローン92機とミサイル5発を発射し、うちドローン62機とミサイル4発を撃墜、ドローン26機を電子戦で無力化したと明らかにした。

首都キーウでは防空部隊が撃墜したロシア軍のミサイルの破片により、少なくとも4人が負傷。南部オデーサ州ではドローン攻撃により少なくとも1人が死亡、9人が負傷した。

東部ハルキウ州では重さ約500キログラムの滑空爆弾が夜中にアパート近くに着弾。幼児を含む少なくとも25人が負傷し、病院に搬送された。

滑空爆弾は撃墜が難しく、ウクライナの防空システム圏内から離れた場所から投下できるため、戦闘機などが撃墜される危険性も低下する。

その威力は強烈であり、衝撃波で標的を消し去り、しばしば大きなクレーターを残す。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は8日、ロシア軍のドローン・ミサイル攻撃が激化しているとして、西側の同盟国により多くの支援を呼びかけた。

またゼレンスキー氏はトランプ(Donald Trump)次期米大統領を念頭に置き、「強い米国を含む、国際的に一致団結した連合として、断固とした行動を取ることが重要だ」と訴えた。

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナ戦争を終結させるというトランプ氏の発言について、「注目に値する」と述べる一方、「ウクライナの中立維持が和平の条件になるべき」という考えを改めて強調した。ウクライナはNATO加盟を目指している。

ロシア大統領府は8日、トランプ氏とウクライナ問題について協議する用意があるものの、「それは戦闘終結に向けたロシア側の要求を変更することを意味するものではない」と言明した。

ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は95日目に突入。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられる。ウクライナ政府はこの地域に派兵された北朝鮮軍兵士に死傷者が出ていると報告している。

イギリス国防省は8日、ロシア軍が先月、ウクライナに対し、約2000機のドローンを発射した明らかにした。

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