◎ロシアとベラルーシは緊密な政治・経済・軍事的関係を構築している。
12月29日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は来年初めにベラルーシと合同軍事演習を行うと発表した。
サンクトペテルブルクのコンスタンチン宮殿でベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と会談したプーチン大統領は、来年初めに合同軍事演習を行うというルカシェンコ大統領の提案を歓迎し、2月か3月に実施することになるだろうと述べた。
またプーチン大統領は、演習の詳細は両軍の関係者で調整したのち発表すると付け加えた。
首脳会談はウクライナ東部で進行中の危機に影響を与える可能性がある。
米国の諜報機関などによると、ロシアはクリミア半島を含む東部国境付近に兵を10万人以上配備した可能性があるという。ウクライナ当局は以前、ロシアがベラルーシの領土から攻撃を仕掛けてくる恐れがあると懸念を表明していた。
ロシアはウクライナへの侵攻を否定しているが、米国とNATOに厳しい安全保障条約の草案を提出し、要求を受け入れなければ最悪の事態もあり得ると警告した。西側は来年初めに行われる予定の協議で提案を拒否すると期待されている。
ロシアとベラルーシは協定で緊密な政治・経済・軍事的関係を構築している。プーチン大統領は西側の圧力がかかる中でもルカシェンコ大統領を強く支持してきた。
ルカシェンコ大統領に対する圧力は昨年8月の大統領選挙とその後の暴力的な取り締まりで強まり、西側はベラルーシに厳しい制裁を科した。
ベラルーシとEUの緊張はポーランドの国境付近に数千人の難民や移民希望者が押し寄せた今年の夏に高まった。EUを統括する欧州委員会はベラルーシが意図的に難民を集め、隣国のポーランド、リトアニア、ラトビアに押しやろうとしていると非難し、この動きを「ハイブリッド攻撃」と呼んだ。
ロシアとベラルーシは今年9月にも大規模な合同軍事演習を実施している。またロシアはベラルーシ空軍の国境パトロールを支援するために、核対応戦略爆撃機を何度も派遣した。
現地メディアによると、ロシア空軍とベラルーシ空軍は29日にも合同パトロールを実施したという。
ルカシェンコ大統領は先月、ベラルーシにロシアの核兵器を配備する準備はできていると述べ、西側をけん制した。