◎西側の専門家はロシア・ベラルーシ合同部隊がウクライナ北部に侵攻するのではないかと懸念している。
2021年9月11日/ロシア西部の軍事施設、ロシア軍とベラルーシ軍の合同軍事演習(Vadim Savitskiy/Russian Defense Ministry Press Service/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

ベラルーシの国防省は15日、最初のロシア軍部隊が到着したと発表した。

ベラルーシ政府はロシアと協力して「ベラルーシ領内のウクライナ国境付近」の防衛を強化するとしている。

プーチン(Vladimir Putin)大統領の盟友であるベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は今週、隣国のウクライナ、リトアニア、ポーランドの過激派が攻撃を仕掛けてくる可能性があると主張し、国境警備を強化すると発表した。

SNSで共有された写真には、民族衣装を着た女性たちがロシア兵を歓迎する様子が写っていた。

ルカシェンコ氏は「隣国の過激派はベラルーシの反乱軍を訓練し、破壊工作やテロ攻撃を画策し、反乱を起こそうとしている」と非難した。

ベラルーシは財政・政治・軍事面でロシアに大きく依存している。プーチン氏は2020年のベラルーシ大統領選でルカシェンコ氏の再選を後押しした。

ルカシェンコ氏はロシア軍の駐留を認めるだけでなく、ロシア軍の兵器輸送や補給も支援しているとみられる。しかし、戦闘には参加していない。

西側の専門家はロシア・ベラルーシ合同部隊がウクライナ北部に侵攻するのではないかと懸念している。

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日のG7オンライン首脳会議で、「ロシアがベラルーシを戦争に引きずり込もうとしている」と非難し、ウクライナとベラルーシ国境付近に国際監視団を派遣するよう要請した。

ロシアはウクライナ4州を強制併合したと宣言したものの、東部と南部で劣勢に立たされているように見える。

ロシアは先週、2014年に併合したクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋を爆破され、赤っ恥をかいた。ロシア政府は来年7月1日までにこの橋の修復を完了させるよう関係企業に命じている。

ウクライナ政府は爆破に関与したとは明言していないが、ロシアはそれを「ウクライナのテロ」と呼び、首都キーツなどの主要都市にミサイルを撃ち込んだ。

ウクライナを支援する国際司法チームによると、この大規模攻撃により、26人の死亡が確認されたという。

一方、プーチン氏はカザフスタンの首都アスタナで開催されたアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)の記者会見で、「ウクライナに対する新たな大規模攻撃は現時点では考えていない」と表明した。

またプーチン氏は2週間以内に予備役30万人の招集を終えると明らかにした。

米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は14日、ロシア軍の大規模攻撃を受け、7億2500万ドル相当の兵器をウクライナに追加供与すると発表した。

ブリンケン氏は14日のツイートで「米国は侵略者を押し返すウクライナ軍を支援する」と述べた。

この追加供与には戦況に大きな影響を与えたとみられる高軌道ロケット砲システム「ハイマース」の弾薬などが含まれる。これで米国のウクライナ支援額は180億ドルを超えた。

2022年1月29日/ベラルーシとロシアの国境付近、ロシア軍の軍用車両(Russian Defense Ministry Press/AP通信)
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