ロシア、隣国フィンランドの「核兵器」配備案を批判
フィンランドでは1987年制定の原子力法によって核爆発装置の持ち込みや保有が禁止されてきたが、政府はこれを改正し、戦時などの状況で核兵器を配備できる可能性を残す方針を示している。
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ロシア政府はフィンランドが自国領内に核兵器を配備する可能性を検討していることに強く反発し、実際に配備されればフィンランドは「より脆弱になる」と警告した。欧州の安全保障をめぐる緊張が高まる中、両国の対立がさらに深まる可能性が指摘されている。
ロシア大統領府のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は6日、記者団に対し、NATO加盟国である隣国フィンランドが核兵器の配備を認めれば欧州の緊張をエスカレートさせると批判した。そのうえで「フィンランドが自国領内に核兵器を配備すれば、ロシアへの脅威となる。もし脅威となるなら、我々は適切な対抗措置を取る」と述べた。さらに、こうした政策は結果としてフィンランド自身の安全保障上の脆弱性を高めることになるとの認識を示した。
今回の発言の背景には、フィンランド政府が自国領内での核兵器の受け入れを禁じてきた法律の見直しを検討していることがある。フィンランドでは1987年制定の原子力法によって核爆発装置の持ち込みや保有が禁止されてきたが、政府はこれを改正し、戦時などの状況で核兵器を配備できる可能性を残す方針を示した。これはNATOの核抑止政策と足並みをそろえるための措置だと説明されている。
フィンランドのストゥブ(Alexander Stubb)大統領はこの法改正案について、「直ちに核兵器を配備する計画ではない」と強調。NATOの核戦略に全面的に参加できるようにすることが目的だとし、同盟の抑止力を最大限に活用する必要があるとの考えを示した。
フィンランドは長年、軍事的中立政策を維持してきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて安全保障環境が大きく変化した。これを受けて2023年にNATOへ加盟し、西側の防衛体制に加わった。ロシアと約1340キロメートルの長い国境を接するフィンランドにとって、防衛体制の強化は重要な課題となっている。
欧州では現在、ロシアの軍事行動や安全保障情勢の変化を背景に、核抑止のあり方を見直す議論が広がっている。フランスが欧州の同盟国に「核の傘」を拡大する可能性を示すなど、欧州独自の抑止力強化を模索する動きも出ている。こうした流れに対しロシアは強く反発し、核兵器を巡る対立が一段と激しさを増している。
フィンランド政府による法改正案は今後議会で審議される見通しで、成立すれば同国の安全保障政策は大きく転換することになる。ロシアは対抗措置を示唆し、欧州北部を含む地域の軍事バランスに新たな影響を与える可能性がある。専門家の間では、核抑止を巡る各国の動きが続けば、欧州の安全保障環境はさらに不安定化するとの懸念も広がっている。
