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米イラン紛争への関与避けるロシア、原油急騰で大儲け

ロシアはこの紛争によって経済的・戦略的な利益を得る可能性が高い。
2026年3月3日/イラン、首都テヘラン中心部の広場(AP通信)

ロシアは米国とイスラエルによるイラン攻撃をきっかけに激化した戦争に対し、強い非難を表明しながらも軍事的な関与を避け、状況を静観する姿勢を取っている。専門家の間では、ロシアがこの戦争から長期的な利益を得る可能性が高いとの見方が広がっている。

今回の戦争は2月末、米国とイスラエルがイランに対して大規模空爆を行い、最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師が殺害されたことを契機に始まった。これに対しイランは中東各地の米軍基地や同盟国を標的にミサイルやドローン攻撃を行い、地域全体の緊張が急速に高まっている。

ロシア政府は攻撃を「主権国家に対する侵略」と批判、プーチン(Vladimir Putin)大統領はイラン側に哀悼の意を示すとともに、戦闘の早期停止を求めた。しかし、ロシアはイランを軍事的に直接支援する動きは見せていない。背景には、ロシアが現在もウクライナとの戦争を続け、新たな軍事的負担を避けたい事情があるとみられる。

一方で、ロシアはこの紛争によって経済的・戦略的な利益を得る可能性が高い。戦争の影響で原油価格が上昇し、エネルギー輸出に依存するロシアの収入が増加しているためだ。ホルムズ海峡周辺の緊張によって世界の石油供給が不安定になり、価格上昇が続けばロシアの国家財政や軍事費を支える重要な資金源になるとみられている。

さらに、戦争の激化は欧米諸国の関心や軍事資源を中東に向けさせ、ウクライナ支援が弱まる可能性も指摘されている。米国や欧州が中東の安全保障により多くの兵器や資金を割くことになれば、ロシアにとってはウクライナ戦線での圧力が相対的に軽くなるとの見方だ。

ロシアとイランの関係は必ずしも強固な同盟ではない。両国は近年協力関係を強めているものの、ロシアはイスラエルや湾岸諸国とも関係を維持し、中東での影響力を保つため慎重な外交姿勢を取っている。こうした事情から、ロシアは軍事介入ではなく、外交仲介役としての立場を保つ可能性が高いと専門家は指摘する。

このように、ロシアはイラン紛争に直接関与せず距離を置きながらも、エネルギー価格の上昇や西側の関心の分散などを通じて戦略的利益を得ることを期待しているとみられる。中東の戦火が長期化すれば、ロシアの国際的立場やウクライナ戦争の行方にも影響を及ぼす可能性がある。

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