◎9月19日に予定されている議会選挙は2024年の大統領選挙の前哨戦に位置付けられており、プーチン大統領は与党の圧勝を強く望んでいる。
8月22日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は与党統一ロシア党の会合に出席し、9月の議会選挙後も議会の支配を継続すると意欲を示した。
9月19日に予定されている議会選挙は2024年の大統領選挙の前哨戦に位置付けられており、プーチン大統領は与党の圧勝を強く望んでいる。
20年以上ロシアを支配しているプーチン大統領は昨年の憲法改正により、2036年まで体制を維持できるようになった。
議会選挙に先立ち、法務省を含むクレムリンの最高機関やロシア連邦保安庁(FSB)は野党、野党支持者、独立系メディア、人権活動家への圧力を強化している。
プーチン大統領は統一ロシア党の最高幹部に、議会選挙後も「体制と地位の維持」と「立法レベルでロシアの利益のために必要な決定を下すことができる」よう促し、「今回の選挙を非常に重視している」と述べた。
統一ロシア党は現在、定数450議席中334議席を占めている。しかし、独立系世論調査企業が行った最新の世論調査によると、今回の選挙で統一ロシア党を支持すると答えた回答者は約27%だったという。
プーチン大統領は会合の中で、国内の退職者に約10,000ルーブル(15,000円)、軍人に約15,000ルーブル(22,000円)の一時金を支給すると発表した。退職者の要件は明らかにされていない。
投獄された野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏の同盟国であるレオニード・ボルコフ氏は一時金を「賄賂」と呼び、非難した。
チームナワルニーの関係者はここ数カ月厳しい取り締まりを受けている。ナワルニー氏本人は懲役2年半の懲役刑を科され、同氏が創設した腐敗防止財団と地域事務所は過激派組織に指定され、公に活動できなくなった。
チームナワルニーを離れた関係者の一部は今回の議会選挙に出馬する予定であり、スマート投票戦略を含むプーチン政権とは異なる政策を打ち出している。
一方、ロシア法務省は21日、多くの独立系メディアやジャーナリストを「外国のエージェント」と名指しし、厳しく取り締まると宣言した。
宣言直後、いくつかの報道機関と人権団体は「望ましくない組織」として告発され、活動を停止したと伝えられている。当局の警告を無視して活動した企業やジャーナリストは起訴される可能性がある。