◎ジャーナリストたちは首都モスクワにある国内最高の治安機関ロシア連邦保安庁(FSB)の本部前でメディアに対する攻撃に抗議した。
2021年8月21日/ロシア、首都モスクワ、「ジャーナリズムは犯罪ではない」と書かれた紙を持つ女性と治安当局者(Denis Kaminev/AP通信)

8月21日、ロシアの治安当局は国内最大級の独立系テレビチャンネルを「外国人エージェント」と呼び、ウラジーミル・プーチン大統領の政策に反対するジャーナリストたちを逮捕した。

ジャーナリストたちは首都モスクワにある国内最高の治安機関ロシア連邦保安庁(FSB)の本部前でメディアに対する攻撃に抗議した。

法務省は20日、独立系メディアの「Dozhd(TV Rain)」とオンライン調査企業の「Vazhnye Istorii」を違法メディアに分類し、取り締まりを強化すると発表した。ジャーナリストたちはこの決定に強く反発し、「ジャーナリズムは犯罪ではない」「あなたは真実を恐れている」などと書かれたプラカードを持ち、報道の自由を保障するよう訴えた。

AP通信によると、逮捕されたジャーナリストたちは召喚状を手渡されたという。逮捕の理由は違法メディアの違法な宣伝活動と伝えられており、違反者は20,000ルーブル(約30,000円)以下の罰金を科される可能性がある。

Dozhdのジャーナリストとして活動しているファリダ・ルスタモヴァ氏はAP通信の取材に対し、「法務省の決定に強く抗議します」と述べ、プラカードを掲げた。「私はロシアで自由に働き、生活したいと思っています。私たちは報道の自由を望んでいます...」

Vazhnye Istoriiのジャーナリスト、ユリア・クラシコヴァ氏は法務省の決定を「違憲」と非難した。「私たちは親クレムリンメディアが報道できないような記事を書き、外国人エージェントに分類されました...」

法務省は海外から資金提供を受け、政治的な活動を行っている非政府組織(NGO)と個人を「外国の代理人」に指定できる法律に基づき、今回の措置を発動した。違法なメディアに分類された企業や個人は政府の綿密な調査に直面し、発信した記事の信頼性も損なわれることになる。

Dozhdは法務省の決定に抗議し、上訴すると発表した。

独立系テレビチャンネルはロシア当局の取り締まりに批判的であり、野党の抗議デモや活動などを定期的に発信している。これらのメディアを騒がせた事件は、著名なプーチン大統領の批評家である野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏の毒殺未遂と投獄、そしてナワルニー氏の側近や関係者に対する違法な取り締まりだった。

ロシア当局は9月19日に予定されている議会選挙に先立ち、野党と独立系メディアに対する圧力を強化した。今回の選挙は2024年の大統領選挙の前哨戦に位置付けられており、プーチン大統領は独裁体制を確固たるものにすると期待されている。

2021年8月21日/ロシア、首都モスクワ、「ジャーナリズムの自由」と書かれた紙を持つ女性と治安当局者(Denis Kaminev/AP通信)
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