◎プーチン大統領は20日のテレビ演説で有権者の支持に感謝し、統一ロシア党は国民の奉仕すると述べた。
ロシアの現地メディアによると、ウラジーミル・プーチン大統領の管理下に置かれている統一ロシア党は「詐欺」と非難された議会選挙で何とか過半数を獲得したという。
選挙委員会によると、プーチン大統領の政策を支持する共産党は票の約19%を確保する見込みだという。
<ロシア下院選挙 定数450 開票率99%>
統一ロシア党 49.8%(プーチン派)
共産党 19%(プーチン派)
自由民主党 7.5%(プーチン派)
公正ロシア 7.4%(プーチン派)
新しい人 5.3%(プーチン派)
その他11%
※450議席のうち225議席は比例代表によって選出。残りは小選挙区。
プーチン大統領は統一ロシア党だけで憲法の改正に必要な3分の2以上の議席獲得を目指していたが、目標には届かなかった。しかし、共産党を含む大半の党がプーチン大統領の政策を支持しており、独裁体制が揺らぐ可能性は極めて低いと考えられている。
統一ロシアは2016年の選挙では54.2%を獲得していた。
プーチン大統領の政策を支持する共産主義者たちは、共産勢力の割合は2016年の選挙から約6%増加したと見なした。しかし、AP通信によると、多くの関係者が投票用紙の仕分けや詰め込みを含む違反行為を確認したという。
プーチン大統領の支配下に置かれている中央選挙委員会のエラ・パンフィーロワ委員長は20日、最終結果は24日に公表されると述べた。
ロシアで最も著名な野党指導者であるアレクセイ・ナワルニー氏の訴え、汚職の告発、支持者による抗議デモは、統一ロシア党の支持率低下に影響を与えた可能性が高いと考えられている。ナワルニー氏は民主主義と正義を主張し、今年2月に投獄された。
プーチン大統領は20日のテレビ演説で有権者の支持に感謝し、統一ロシア党は国民の奉仕すると述べた。一方、ナワルニー氏の支持者たちは首都モスクワで抗議デモを呼びかけ、「選挙は操作されている」と非難した。
ロシア当局は選挙の監視に厳しい制限を設けており、欧州安全保障協力機構(OSCE)は今回監視に参加しなかった。OSCEの監視員がロシアの選挙に参加しなかったのは約30年振り。
EUの報道官は20日、「選挙は適切に監視されていない」と述べた。アメリカ、ドイツ、イギリス政府も同じ主張を繰り返した。
AP通信によると、全国に監視員を展開している独立系監視グループGOLOSは、各地の投票所で少なくとも5,000件の違反行為を確認したという。
しかし、ロシア内務省は記者団に対し、「重大な違反は報告されていない」と述べた。クレムリンはGOLOSを「西側のエージェント」と呼んでいる。
GOLOSの監視員はベラルーシとウクライナに隣接するブリャンスク地域で投票箱に「詰め物」が投入される瞬間を撮影し、ソーシャルメディアに投稿した。選挙委員会の女性職員は服の下から取り出した投票用紙の束を投票箱に入れ、仕事に戻った。
サンクトペテルブルクの投票所でも奇妙な事件が発生したと報じられている。独立系報道機関フォンタンが公開した監視カメラの映像には、ある男性職員が投票用紙の保管金庫を開ける様子が映っていた。しかし、金庫を開けた直後、監視カメラの前に段ボールが現れ、男性職員の姿は見えなくなった。
別の投票所の監視カメラには投票用紙を仕分けしている男性の姿が映っていた。しかし、今度はカメラの前にモップが現れ、男性の姿はまたしても見えなくなった。
これらの奇妙な事件は中央選挙委員会の注目を集め、同委員会のエラ・パンフィーロワ委員長は投票所の管理者を解雇したと伝えられている。
ロシア当局は、ナワルニー氏が考案したスマート投票戦略を推進するアプリをアップルストアとグーグルストアから削除したことでも多くの怒りを引き起こした。この公約は統一ロシア党の候補者に大きな影響を与える可能性が高いと信じられていた。
現地メディアによると、公式の投票率は約52%と報告されたという。
反クレムリンと思われるユーザーはツイッターに、「開票前から結果は分かっていたが、投票した」とツイートした。「民主主義に投票しても結果は操作されるでしょう。しかし、それでも私は投票しました」