◎ロシアの選挙管理当局は19日に締め切られた下院選挙の結果を公表し、ウラジーミル・プーチン大統領の支配下に置かれている与党統一ロシア党が450議席中324議席を獲得したと述べた。
2021年9月20日/ロシア、首都モスクワの郊外にあるノボオガリョボ邸、ウラジーミル・プーチン大統領(Alexei Druzhinin/Sputnik/クレムリン/Pool/AP通信)

9月21日、ロシアの選挙管理当局は19日に締め切られた下院選挙の結果を公表し、ウラジーミル・プーチン大統領の支配下に置かれている与党統一ロシア党が450議席中324議席を獲得したと述べた。

統一ロシア党は多少議席を落としたが、それでも憲法改正に必要な3分の2以上を確保した。

<ロシア下院選挙 定数450 開票率100%>
統一ロシア党 324議席(投票率49.82%)
共産党 57議席(投票率18.93%)
公正ロシア 27議席(投票率7.46%)
自由民主党 21議席(投票率7.55%)
新しい人 13議席(投票率5.32%)
ロディーナ 1議席(投票率0.80%)
成長党 1議席(投票率0.52%)
市民プラットフォーム 1議席(投票率0.15%)
無所属 5議席
450議席のうち225議席は比例代表によって選出。残りは小選挙区。

今回の選挙は2024年に予定されている大統領選の前哨戦と見なされており、プーチン大統領は統一ロシア党の完全勝利を望んでいた。

20年以上ロシアを支配しているプーチン大統領は昨年の憲法改正国民投票で2036年まで体制を維持できるようになったため、再選を目指すか別の戦略を選択すると予想されている。

クレムリンの批評家や一部のアナリストは、プーチン大統領の完全な独裁体制を維持できるかどうかは今回の選挙にかかっていると予想し、野党の奮闘を期待していた。

しかし、主要な野党政治家は立候補することを許可されず、欧州安全保障協力機構(OSCE)も選挙の監視を禁じられた。選挙を独自に監視したロシアの独立系メディアは5,000件以上の不正を確認したと報じたが、選挙当局は「重大な違反は報告されていない」と述べ、メディアの報道を却下している。

プーチン大統領の支配下に置かれている中央選挙管理委員会は21日、統一ロシア党は比例で126議席、小選挙区で198議席獲得したと発表した。

プーチン大統領の政策を支持する共産党は57議席、同じく親プーチンの公正ロシアは27議席、自由民主党は21議席獲得している。

政府は投獄された野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏の組織とその他の反対派勢力の取り締まりを強化したため、独裁に終止符を打ちたい野党政治家は選挙活動を禁じられ、一部は拘留された。

政府はナワルニー氏の組織を過激派組織に指定しており、活動に関与した関係者は公職に就くことを禁じられた。ナワルニー氏はソビエト産の猛毒「ノヴィチョク」で暗殺されかけたにもかかわらず当局に逮捕され、懲役2年半の実刑判決を受けた。

一部の著名な野党政治家も逮捕・起訴され、当局の圧力に屈した政治家はロシアを離れざるを得なかった。

ナワルニー氏のチームは統一ロシア党の候補者に対抗できると期待されたスマート投票戦略を推進し、独裁体制にくさびを打ち込みたいと考えていた。しかし、当局はスマート投票戦略関連のWebサイトをブロックし、IT大手のアップルとグーグルに圧力をかけ、ナワルニー氏のチームが開発したアプリはアップルストアとグーグルストアから削除された。

ナワルニー氏、野党政治家、独自に選挙を監視したメディアは、選挙の結果を「詐欺」と呼び、非難した。一部の批評家は、回答者の約30%が統一ロシア党を支持すると答えた今年初めの世論調査を引用し、「調査と結果の致命的な乖離は、投票と集計で不正が行われたことを示している」と述べた。

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