2022クリミア橋爆破事件、8人に終身刑 ロシア
事件は2022年10月に発生。トラック爆弾が橋の一部を破壊し、その修復には数か月を要した。
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ロシアの裁判所は27日、2022年に起きたクリミア橋への爆破攻撃に関与したとして、8人をテロ容疑で有罪とし、いずれも終身刑を言い渡した。
この橋はロシア本土と、ロシアが2014年に併合したウクライナ・クリミア半島を結ぶ交通の要路、道路と鉄道の両方が通る海峡横断橋であり、軍および物資輸送の要となる重要な戦略拠点である。
事件は2022年10月に発生。トラック爆弾が橋の一部を破壊し、その修復には数か月を要した。
爆発でトラック運転手と、近くを走っていた乗用車の乗員など合わせて5人が死亡した。
ロシア政府はこれをテロ行為と位置づけ、反撃としてウクライナの民間インフラ、特に冬季にかけて電力網を標的とした攻撃を行った。
起訴されたのはロシア人、ウクライナ人、アルメニア人ら8人。ウクライナ人3人とジョージア人2人は国外に逃亡している。
8人は「テロ攻撃および不正武器取引」の罪に問われ、うち2人は「爆発物密輸」の罪も加えられた。
ロシア当局は8人がウクライナを支援するために橋を爆破したと主張。しかし8人は一貫して無罪を主張、「トラックが爆発物を運んでいたとは知らなかった」と述べ、裁判前に自主的に関係当局に出頭し、嘘発見器(ポリグラフ)検査にも全員が合格したという。
弁護側は「証人からも反対の証言はなく、116巻に及ぶ捜査報告書にも有罪を裏付けるものはない」と訴え、「真実を国民に見せてほしい」と呼びかけた。
一方で、ウクライナの諜報機関SBUの責任者は2023年のインタビューで「信頼する職員2人と共に攻撃を準備し、別の人物たちを本当の目的を知らせず使った」と述べていた。
裁判は2025年2月に、ウクライナ国境に近いロシア南部の都市で非公開で開始された。弁護側は適切な手続きではなかったと批判している。
クリミア橋は2016年に建設が始まり、2018年に開通。ヨーロッパ最長級の橋であり、ロシアにとってクリミア併合の象徴でもある。
今回の判決は、ウクライナ側が関与したとされる一連の攻撃を巡るロシアの対応の一環とみられる。
