◎エールフランスとオーストリア航空の便は、ロシア当局に入国を拒否されたため、急遽便の運行を停止した。
現地メディアによると、ロシアはベラルーシの領空の飛行を回避した旅客機の入国を拒否したという。
エールフランスとオーストリア航空の便は、ロシア当局に入国を拒否されたため、急遽便の運行を停止した。
ベラルーシのリトル・プーチンことアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は23日、ギリシャ発リトアニア行きの旅客機を自国の空港に強制着陸させ、搭乗していたジャーナリストのラマン・プロタセビッチ氏とガールフレンドのソフィア・サペガ氏を逮捕し、西側諸国の爆発的な非難に直面した。
EUとイギリスはベラルーシに対する制裁を強化し、ベラルーシの国営航空会社の圏内への立ち入りを禁止した。また、多くの航空会社がベラルーシへのフライトおよび領空の飛行を一時停止している。
<ベラルーシへのフライトを停止した主な航空会社>
・エールフランス
・KLMオランダ航空
・フィンエアー(フィンランド)
・シンガポール航空
・エア・バルティック(ラトビア)
・スカンジナビア航空
・オーストリア航空
EUの首脳は、ルカシェンコ大統領はMiG-29戦闘機に出撃を命じて英ライアンエアー社の旅客機を首都ミンスクの空港に強制着陸させたと非難したが、ルカシェンコ大統領はこの主張を全て却下し、「イスラム過激派組織ハマスの爆破テロから搭乗客を守るためだった」と反論した。
パレスチナのハマス当局は事件への関与を完全否定している。
ロシアはベラルーシの最強の同盟国であり、昨年ミンスクなどで発生した大統領選挙関連の大規模な抗議活動を非難し、「ルカシェンコ大統領を力づくで追放するような事態が発生すれば、ベラルーシにロシア軍を派遣し、野党勢力を打ちのめす」と西側諸国に圧力をかけていた。
現地メディアによると、ロシアに入国を拒否された航空会社は現時点ではエールフランスとオーストラリア航空だけで、ベラルーシへのフライトを一時停止した他の航空会社の入国を拒否するかどうかはまだ分からないという。
ロイター通信によると、ベラルーシの国営航空会社ベラビアは、EUの制裁に伴う圏内の飛行禁止措置を受け、12路線の欠航を決めたという。影響を受ける路線はアムステルダム、バルセロナ、ベルリン、ブリュッセル、フランクフルト、ハノーバー、カリーニングラード、ミラノ、ミュンヘン、ローマ、ウィーン、ワルシャワと伝えられている。
ベラルーシ政府は各国の航空各社から年間数百万ドルの上空通過料を得ており、制裁は同国の脆弱な経済にダメージを与えると期待されている。
オーストリアの外務省は27日、ロシアの行動は到底容認できないと非難声明を発表した。
フランスの運輸省はAFP通信の取材に対し、「各国間の取り決めを尊重しなければならない」と述べた。
旅客機のルートを調査しているフライトレーダー24によると、27日にベラルーシの領空を通過した便はロシアとベラルーシの航空会社のものばかりだったという。
地元メディアによると、逮捕されたプロタセビッチ氏は27日に初めて弁護士と面会したという。イネサ・アレンスカヤ弁護士は地元メディアのインタビューの中で、「プロタセビッチ氏は前向きで元気だった」と述べたが、ベラルーシ当局との秘密保持契約により、その他の情報を口外することは禁止されていると説明した。
一方、ロシアの外務省は、「プロタセビッチ氏のガールフレンドのサペガ氏は昨年8月と9月にベラルーシの法律に違反したと述べた」と伝えられているが、具体的にどのような罪を犯したかは明らかにされていない。
ベラルーシ当局は二人の自白動画を24日に公開したが、ベラルーシ国家保安委員会(KGB)の当局者に強制的に自白させられた可能性がある。
国連の国際民間航空機関(ICAO)は27日、ベラルーシの強制着陸の調査を行うことに同意したが、これを実行するためには国連安保理の承認を得なければならず、ロシアの拒否権をクリアすることはほぼ不可能と考えられている。
We strongly condemn the forced landing of a Ryanair flight in Minsk and the detention by Belarusian authorities of journalist Raman Pratasevich and Sofia Sapega. We call on @ICAO to urgently investigate this unacceptable incident and for full accountability for those responsible. pic.twitter.com/1oPS9aV5Nw
— U.S. Mission to the UN (@USUN) May 26, 2021