◎観光客はまだ、伝統に従ってトレビの泉に肩越しにコインを投げ入れることはできない。
イタリア・ローマの観光名所「トレビの泉」の改修工事が順調に進み、噴水周りの階段の補修が一部完了した。
しかし、観光客はまだ、伝統に従ってトレビの泉に肩越しにコインを投げ入れることはできない。
ローマ市長は9日、完成した階段と鉄の歩道をチェック。「これで観光客に噴水を間近に見てもらうことができる」と述べ、噴水の手前に設置した「トレビのプール」にコインを投げ入れるよう促した。
この改修工事は先月初めに着工し、12月末に竣工する予定だ。噴水周りの階段も封鎖されている。
プール前に架けられた橋は一度に130人ほどを収容できる。
しかし、噴水の水は抜かれているため、そこにコインを投げることはできない。もし投げると50ユーロの罰金を科される可能性がある。
当局は水を抜いた後も多くの観光客が願いを込めてコインを放り投げるため、その手前にプールを設置した。
市の言い伝えによると、噴水にコインを投げ入れると、ローマへの再訪が約束されるという。この伝統は年間推定150万ユーロ(約2億5000万円)の小銭収入を生み出し、過去15年間、カトリックの慈善団体に寄付されてきた。
ローマ市長は記者団に対し、「プールに投げ入れられたコインもカトリックの慈善団体に寄付される」と語った。
この歩道は工事終了に合わせて撤去される予定だ。
ローマ市は現在、オーバーツーリズム対策として、噴水周辺への立ち入りを制限する計画を練っている。
その案によると、観光客はオンラインで予約し、2ユーロの入場料を支払う必要がある。観光客は30分間、噴水を自由に見学し、コインを好きなだけ投げ込むことができる。